ベクテル

ベクテル：世界を舞台に展開する巨大建設企業

ベクテル（Bechtel Corporation）は、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコに本拠を置く、世界最大級の建設会社です。石油コンビナート、発電所、ダム、空港、港湾など、多岐にわたる大規模プロジェクトを世界中で手掛けています。

創業一族による経営

ベクテルは非上場の同族会社であり、その経営は創業者のウォーレン・ベクテル一族によって担われています。ウォーレン・ベクテルは、鉄道産業での成功を足がかりに、高速道路、水道トンネル、ダムなどの建設へと事業を拡大しました。その後、息子のステファン、孫のステファン・ジュニアへと経営が引き継がれ、現在は曾孫のライリー・ベクテルが最高経営責任者を務めています。一族はアメリカを代表する富豪としても知られています。

主要人物

ベクテルからは、政界に転身した人物も輩出されています。

ジョージ・シュルツ：元ベクテル社長。後にアメリカ合衆国国務長官に就任。
キャスパー・ワインバーガー：元ベクテル副社長兼法律顧問。後にアメリカ合衆国国防長官に就任。
ジョン・マコーン：ベクテル・マコーン社を設立。国防次官、空軍副長官、原子力委員会委員長を歴任。
ウィラード・デイヴィス：元ベクテル副社長。アメリカ合衆国エネルギー省次官、原子力委員会、原子力規制委員会の高官を歴任。

歴史

ベクテルは、1930年代のフーバーダム建設への参加を始め、数々のメガプロジェクトを手掛けてきました。

1930年代：フーバーダムの建設に参加
1973年：世界の石炭スラリー処理施設の7割を建設する「エネルギー輸送制度」に参加
2003年：イラク復興事業でインフラ整備を受注
2006年：ロスアラモス国立研究所を運営する連合組織に参加

主なメガプロジェクト

ベクテルは、世界各地で以下のような大規模プロジェクトを手掛けています。

フーバーダム（1936年完成）
英仏海峡トンネル（1994年完成）
香港国際空港（1998年完成）
新ドーハ国際空港（2013年完成）

日本での事業展開

ベクテルは、日本においてもオーバーシーズ・ベクテル・インコーポレーテッド株式会社を通じて事業を展開しています。六ヶ所再処理工場の工場設備建設への技術参加や、空港ターミナルビル建設工事など、日本のインフラ整備にも貢献しています。また、神戸医療産業都市構想への参加など、新たな分野への進出も試みています。

日本原燃六ヶ所再処理工場の工場設備建設に技術参加
羽田空港西側旅客ターミナルビル建設工事を受注
関西国際空港旅客ターミナルビル新築工事を受注
東京湾横断道路川崎人工島東工事を受注
アジア太平洋トレードセンター建設工事を受注
中部国際空港旅客ターミナルビル新築工事を受注

ベクテルは、その技術力とプロジェクトマネジメント能力で、世界中のインフラ整備に貢献しています。今後も、世界経済の発展に不可欠な存在として、その動向が注目されます。

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