ベルリン・ドイツ・オペラ

ベルリン・ドイツ・オペラ

ベルリン・ドイツ・オペラ（Deutsche Oper Berlin）は、ドイツの首都ベルリンにある歌劇場の一つです。ビスマルク通り沿いに位置し、ベルリン地下鉄（Uバーン）のドイツ・オペラ駅（U-Bahnhof Deutsche Oper）からすぐの場所にあります。

歴史

1919年、「ドイツ・オペラハウス」として設立されました。その後、「市立歌劇場」や「ベルリン市立歌劇場」など、名称を何度か変更しています。東西分裂時代には、東ドイツ側にベルリン国立歌劇場とコーミッシェ・オーパーがあったため、ベルリンの壁建設後は西ベルリンにおける唯一の歌劇場となりました。

第二次世界大戦中に建物は大きな損害を受けました。戦後は別の劇場で公演を行っていましたが、1961年9月に新築再建され、現在のベルリン・ドイツ・オペラとして再開されました。再開公演ではモーツァルトの『ドン・ジョヴァンニ』が上演されています。現在の劇場ホールは、ドイツで2番目に大きな規模を誇るとともに、ヨーロッパでも有数の現代的な音響と快適性を備えたホールとして知られています。

組織と活動

ベルリン・ドイツ・オペラは、数々の著名な音楽家を音楽監督として迎え入れてきました。ブルーノ・ワルター、フリッツ・ブッシュ、フェレンツ・フリッチャイ、ロリン・マゼール、ゲルト・アルブレヒト、ヘスス・ロペス＝コボス、ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴスなどがその名を連ねています。近年では、クリスティアン・ティーレマン、レナート・パルンボが音楽監督を務め、2009年からはドナルド・ラニクルズが芸術監督として活躍しています。

1963年10月には、カール・ベームとロリン・マゼールが指揮者として参加し、日本で初の公演を行いました。この公演は、日生劇場のこけら落とし公演として実現し、欧米の歌劇場が日本で公演を行う初めての機会となりました。ベーム指揮による『フィガロの結婚』と『フィデリオ』のライブ録音が現存しています。

ベルリン・ドイツ・オペラは、ワーグナー作品の上演で高い評価を得ています。2012年からは、マイアベーア・ツィクルスと題して、マイアベーア作品の連続上演も行っています。

録音

ベルリン・ドイツ・オペラの代表的なレコーディングとしては、オイゲン・ヨッフム指揮によるオルフの『カルミナ・ブラーナ』や、ワーグナーの『ニュルンベルクのマイスタージンガー』、カール・ベーム指揮によるモーツァルトの『フィガロの結婚』（日本公演のライブ盤と、その数年後のスタジオ録音盤があります）、ジュゼッペ・シノーポリ指揮によるヴェルディの『ナブッコ』などが挙げられます。

日本との関係

1963年の初来日公演では、ロリン・マゼールが指揮を務め、ヴィーラント・ワーグナーが演出を担当した『トリスタンとイゾルデ』が日本初演されました。

1987年10月から11月にかけて、西ドイツ時代のベルリン・ドイツ・オペラは、日本で初めてワーグナーの『ニーベルングの指環』全曲連続上演を行いました。

歴代音楽監督

イグナーツ・ワーグハルター (1912年 - 1923年）
ブルーノ・ワルター（1925年 - 1929年）
アルトゥール・ローター（1935年 - 1943年、1953年 - 1958年）
カール・ダマー（1937年 - 1943年）
フェレンツ・フリッチャイ（1949年 - 1952年）
リヒャルト・クラウス（1954年 - 1961年）
ハインリヒ・ホルライザー（首席指揮者、1961年 - 1964年）
ロリン・マゼール（1965年 - 1971年）
ゲルト・アルブレヒト（専任指揮者、1972年 - 74年）
ヘスス・ロペス・コボス（1981年 - 1990年）
ジュゼッペ・シノーポリ（1990年）
ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス（1992年 - 1997年）
クリスティアン・ティーレマン（1997年 - 2004年）
レナート・パルンボ（2006年 - 2008年）
ドナルド・ラニクルズ（2009年 - ）

関連項目

ベルリン芸術祭
ベルリン・ドイツ交響楽団 - 名称は類似するが歌劇場とは無関係。

外部リンク

公式ウェブサイト

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