ベルリン＝ブランデンブルク＝シュレージシェ・オーバーラウジッツ福音主義教会

ベルリン＝ブランデンブルク＝シュレージシェ・オーバーラウジッツ福音主義教会(EKBO)とは

ベルリン＝ブランデンブルク＝シュレージシェ・オーバーラウジッツ福音主義教会（Evangelische Kirche Berlin-Brandenburg-schlesische Oberlausitz, EKBO）は、ドイツ福音主義教会（EKD）を構成する20の州教会の一つです。本部をベルリンに置き、公法人としての地位を有しています。管轄地域には約590万人の住民がいますが、そのうち約91万人がEKBOに所属しています。

概要

EKBOは、ドイツ福音主義教会（EKD）内の合同教会であり、2003年の基本規定布告を経て、2004年1月1日にベルリン＝ブランデンブルク福音主義教会とシュレージシェ・オーバーラウジッツ福音主義教会が統合して成立しました。統合前の両教会は福音合同教会（EKU）に加盟しており、統合後も福音主義合同教会（UEK）の一員として活動しています。

ベルリンテレビ塔に隣接する聖マリエン教会が監督（Bischof）の首座教会であり、カイザー・ヴィルヘルム記念教会やベルリン大聖堂でも定期的に説教が行われます。

教会共同体は1181を数え、その大部分がルター派の礼拝形式を採用していますが、改革派の礼拝を行う教会はごく少数です。合同教会としての形態を持ちながらも、ルター派の影響力が強い点が特徴です。EKDと共に、ベルリン福音アカデミーを運営し、ゲルリッツにある福音アカデミーの運営も担っています。

歴史

EKBOの歴史は、ブランデンブルクとシュレージエンの歴史、特にプロイセン王国後半の歴史と深く結びついています。

1539年以降、ブランデンブルク選帝侯国で宗教改革が導入され、1572年にはルター派教会共同体が最初の教会法令を制定しました。並行して改革派教会共同体も存在し、数世紀にわたり両宗派が共存しました。1613年、選帝侯ヨハン・ジギスムントが改革派に改宗しましたが、住民には信仰の自由が認められました。

オーバーラウジッツでは、1521年から1550年の間に福音主義の信仰が広まりましたが、政治的な事情により福音主義領邦教会は形成されませんでした。1815年のウィーン会議以降、オーバーラウジッツの東側地域がプロイセン領となり、シュレージエン・プロヴィンツに組み込まれました。教会共同体はシュレージェン・プロヴィンツ教会と統合され、1742年に最初の教憲制定と教会巡察が始まりました。

1815年以降、プロイセン政府はプロヴィンツごとに福音主義教会担当省を設置し、ブランデンブルクとシュレージエンはベルリンとブレスラウから管理されました。1881年にはベルリンがブランデンブルクから分離され、独立した教会担当部署が設けられましたが、両省は共にキルヒェンプロヴィンツ＝ブランデンブルクを担当しました。

ルター派と改革派教会の首長はプロイセン王であり、1817年にフリードリヒ・ヴィルヘルム3世が両教派の行政的統合を命じ、プロイセン福音主義教会が設立されました。この教会は1918年/1922年まで、東プロイセン、西プロイセン、ブランデンブルクなど複数のキルヒェンプロヴィンツから構成されていました。

ブレスラウの神学教授ヨハン・ゴットフリート・シャイベルの指導の下、合同を拒否するルター主義者が現れ、古ルター派のプロイセン福音ルター派教会が設立されました。1830年から1840年にかけて弾圧を受けましたが、1845年に公的認可を得ました。

第一次世界大戦後、君主制の終焉とともに領邦君主による教会統治も終わり、1922年に古プロイセン合同福音主義教会が設立されました。第二次世界大戦後、オーデル・ナイセ線が引かれ、ドイツの東部地区が分離されたため、教会は規模を縮小しました。1947年までに、残された6つの古プロイセンのプロヴィンツ教会は領邦から独立した州教会となりました。

マルク・ブランデンブルク＝キルヒェンプロヴィンツ教会は1948年にベルリン＝ブランデンブルク福音主義教会と改称し、EKDに加盟しました。シュレージエンでは、1945年にエルンスト・ホールニヒ監督が伝統を維持していましたが、1946年にポーランド政府の統治下に入り、1947年にはゲルリッツに移転しました。ドイツ人追放により、オーダー川東部の教会共同体は解体され、ポーランド・アウクスブルク信仰告白・福音主義教会に組み込まれました。ナイセ川以西の地域はベルリン＝ブランデンブルク教会が管理し、1947年にシュレージエン福音主義教会として独立、後にEKDに加盟しました。

1954年、6つの古プロイセンの州教会は福音合同教会（EKU）を設立し、EKDにも加盟しました。ベルリンの壁構築後、ベルリン＝ブランデンブルク教会は東西に分割されましたが、ドイツ再統一に伴い再統合されました。1991年以降は一人の監督が教会を率いています。シュレージエン教会は1968年にゲルリッツ福音主義教会に改称を強いられましたが、ドイツ再統一後にシュレージシェ・オーバーラウジッツ福音主義教会に名称を戻しました。2004年1月1日、両教会はベルリン＝ブランデンブルク＝シュレージシェ・オーバーラウジッツ福音主義教会に統合されました。

教義

EKBOはルターの宗教改革によって形成された福音主義教会であり、ルター派の信仰告白を保持しています。合同教会として、ルター派が多数派を占め、改革派や合同派と共に信仰告白を定めています。ルター派教会共同体ではアウクスブルク信仰告白、シュマルカルデン条項などが、改革派教会共同体ではハイデルベルク信仰問答が信仰告白として認められています。また、バルメン宣言を信仰告白文書として肯定し、その職務において拘束力を有します。

組織

州教会監督

EKBOのトップは監督（Bischof）であり、教会の霊的指導者です。監督は州教会総会で10年の任期で選出され、再選も可能です。通常65歳で引退し、教会指導部の議長も務めます。監督代理として補佐（Propst）が置かれ、教会宗務局における神学的指導を行います。

総地区長と監督補佐

プロイセン王国の福音教会における霊的指導者は総地区長と呼ばれていました。ブランデンブルクには2人、シュレージエンには1人の総地区長が置かれました。1918年の領邦君主による教会運営制度廃止後、総地区長は宗務局長と共に州教会の教会指導を行い、後に監督の称号を得ました。1947年のプロイセン州政府解体後、州教会は独立し、監督が教会の首長となりました。

現在、ベルリン、ゲルリッツ、ポツダムの3つの管区があり、それぞれ総地区長が指導しています。総地区長は10年の任期で選出され、地域監督の称号を持つこともあります。監督の神学的代理人は監督補佐であり、州教会指導部や州教会総会の一員として、宗務局の霊的指導を行います。

改革派教会

合同教会であるEKBOには改革派教会も属しており、ベルリン、コトブス、ノイルピン教区のルター派教会とは別に、改革派教会教区が存在します。ベルリンのジェンダルメンマルクトにあるフランス大聖堂が改革派を代表する教会であり、フランス語による礼拝も行われています。

州教会総会

州教会は議会として州教会総会を設置し、総会議員は6年の任期で選出されます。総会の構成員には監督、総地区長、宗務局議長、地区長などが含まれます。総会は監督や監督補佐の選出、州教会規則の決定、予算などを担当し、上部組織（EKD、UEK）の総会に代議員を送ります。

州教会の管理運営

監督はベルリンに在住し、教会指導部の議長を務めます。教会指導部には総会議長、総地区長、宗務局議長などが含まれ、定期的に会議を開催します。宗務局は常勤の教会事務職員から成り、教会指導部の執行機関として日常業務を担当します。州教会は教会共同体、教会地区、教区という運営序列で構成されています。

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