ホブド

ホブド：モンゴル西部の歴史と文化が息づく都市

ホブドは、モンゴル西部に位置するホブド県の県都であり、アルタイ山脈の裾野、ブヤント川のほとりに広がる都市です。その歴史は17世紀に遡り、ジュンガルのガルダン・ハーンによって建設されました。この地では、東トルキスタンや中央アジアからの虜囚たちが持ち込んだ園芸の技術が発展し、独自の文化を育んできました。

歴史

17世紀、ガルダン・ハーンが現在のエルデネビュレン・ソムの河岸に都市を建設。この地で園芸学が発展しました。しかし、清の支配下に入ると、市街はブヤント川のほとりに移転させられました。1912年8月7日、モンゴルの豪族連合軍がホブドを解放し、兵営は破壊され、清朝の間接統治は終わりを迎えました。

地理

ホブドは、アルタイ山脈の麓に位置し、ブヤント川の恵みを受けています。東に約25kmの場所には、マンハン自然保護区の一部であるハルウス湖があります。この地域は、スイカやトマトなどの夏野菜、そして質の高い季節の肉製品が有名です。1992年の行政再編により、独自のソム（郡）が割り当てられました。

気候

気候はケッペンの気候区分で砂漠気候（BWk）に分類され、暑く短い夏と、長く乾燥した極寒の冬が特徴です。降水量は少なく、主に夏に集中します。厳しい気候条件の中で、独自の農業や生活様式が育まれてきました。

人口統計

ホブド市の人口は、2000年の国勢調査では26,023人、2003年の推計では30,479人、2007年には28,601人と推移しています。2005年のデータでは、ソム（郡）の人口は6,675世帯の32,351人で、ジュンガル、ハルハ、ザフチン、トルグート、ウリャンカイ、ミャンガド、ドゥルブド、バヤド、カザフ、ウズベク、ウゼムチンなど、10以上の多様な民族集団が共存しています。

まとめ

ホブドは、その歴史、地理、そして多様な民族が織りなす文化が魅力的な都市です。厳しい気候の中で育まれた生活様式や食文化は、この土地ならではのものです。ホブドを訪れることで、モンゴルの歴史と文化の奥深さに触れることができるでしょう。



参考文献

Mongolia City Development Strategies for Secondary Cities
相馬拓也 2022『草原の掟－西部モンゴル遊牧社会における生存戦略のエスノグラフィ』（ナカニシヤ出版／2022年1月）

もう一度検索