ポイント・ツー・ポイント

ポイント・ツー・ポイント（Point-to-Point）とは

ポイント・ツー・ポイント（Point-to-Point、以下P2P）とは、ある特定の点と別の特定の点を直接結びつける通信方式を指します。電気通信の分野では、主に2つのエンドポイント（通常はホストコンピュータ）間を接続する状況で使用されます。

P2Pは「Pt2Pt」と表記されることもありますが、ファイル共有ネットワークを指す「Peer to Peer (P2P)」とは異なる概念です。類似の用語として「ポイント・ツー・マルチポイント」がありますが、こちらは放送やダウンリンクなど、1点から多点への通信を意味します。

基本的なポイント・ツー・ポイントデータリンク

最も基本的なP2Pデータリンクは、2つの端点間を直接接続する通信路です。この場合、データはパケット化されず、両端のホストコンピュータが転送データのフォーマットを完全に制御します。コンピュータと通信媒体との接続には、RS-232規格やそれに類する方式が用いられます。近い距離のコンピュータ同士であれば、各インターフェースカード間を直接ケーブルで接続することもあります。

より長距離の場合、各端点にはモデムが設置され、アナログ通信信号とデジタルデータストリーム間の変換を行います。電気通信事業者の専用回線を利用する場合、これを「専用線」と呼びます。かつてのARPANETでは、Interface Message Processor（IMP）と呼ばれるパケット通信ノード間をP2Pデータリンクで接続しており、その多くは専用線を利用していました。

近年のポイント・ツー・ポイントリンク

近年、P2P通信という言葉は、無線データ通信や数GHz帯のVoIPなどでも使われるようになりました。レーザーを用いた光通信も含まれます。これらの場合、通信媒体は直線的で、送信機から受信機へビームのように信号が発射されます。

これらの通信信号は通常、双方向であり、[時分割多元接続]などの多元接続方式が用いられることが多いです。

ポイント・ツー・ポイントとハブの違い

ハブ（シェアードハブ）は、複数のノードが1つの共有回線を共有するマルチポイント接続機器です。接続されたノード間で全帯域幅を分割して使用します。これに対し、スイッチングハブは、マイクロセグメンテーションという技術を用いて複数のP2P接続を構成します。これにより、各クライアントノードは専用回線を使用しているかのように通信でき、ノード数が増加しても性能低下が起こりにくいという特徴があります。

ポイント・ツー・ポイントの関連技術

P2P通信に関連する技術として、以下のものがあります。

• - Point-to-Point Protocol (PPP): シリアル回線上でIPプロトコルを伝送するための通信プロトコル。
• - Point to Point Tunneling Protocol (PPTP): VPNを構築するためのトンネリングプロトコル。

関連用語

P2Pの関連用語として、以下のようなものがあります。

• - ハブ・アンド・スポーク: 中央のハブとそこから放射状に伸びるスポークで構成されるネットワークトポロジー。
• - エンドツーエンド: ネットワークの両端間での通信を指す概念。
• - ホットライン: 特定の相手と直接通信するための専用回線。

P2Pは、現代のネットワーク技術において、重要な役割を果たしています。直接的な通信を必要とする場面で幅広く活用されており、効率的な通信を実現するための基盤となっています。

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