ポトシ県

ポトシ県（ボリビア）

ポトシ県は、ボリビアの南西部に位置する県であり、県都はポトシ市です。北はオルロ県、コチャバンバ県、東はチュキサカ県、タリハ県、西はチリ、南はアルゼンチンと国境を接しています。県内は16の郡に分かれています。

地理

ポトシ県の地形はアンデス山脈が主体で、東部は標高4,000mを超える山脈地帯です。西部や南部には5,000m級の山地がそびえ立ちますが、県の中央部は標高約3,500mのアルティプラーノと呼ばれる高原地帯となっています。アルティプラーノの西側には、広大なウユニ塩湖が広がっています。気候は乾燥しており、年間降水量は500mm以下で、植生は限られています。

経済

経済状況は、ボリビア国内では相対的に貧困な地域とされています。かつては銀の産出で栄えましたが、鉱山の閉鎖や規模縮小が相次ぎ、地場産業も衰退しています。しかし、2000年代に入り、県西部のサンクリストバル鉱山で銀・亜鉛の採掘が再開されるなど、新たな動きも見られます。ポトシ周辺では錫、ウユニ周辺では亜鉛やリチウムの採掘も行われています。

自然保護区

県の南西部、国境地帯には7,147平方キロメートルに及ぶ広大なアンデス動物保護地区が設定されており、貴重な自然が保護されています。

ノルテ・ポトシ

ノルテ・ポトシは、ポトシ県の北部地域を指します。住民はケチュア系の先住民が多数を占めています。土地が痩せ、水資源も乏しいため、ボリビア国内でも特に貧困が深刻な地域の一つです。そのため、ラパスなどの都市部への人口流出が社会問題となっています。

この地域には、スペイン侵略以前からの伝統的な習俗が色濃く残っています。先コロンブス期の先住民の地縁・血縁組織であるアイリュが、地域社会の中で機能しており、組織名も「Comunidad」ではなく「Ayllu」が用いられています。

また、ノルテ・ポトシのフォルクローレは、ボリビア国内でも独特のものです。小型の弦楽器チャランゴは、この地域が発祥の地であるという説があります。女性が甲高い声で歌うプトゥクンと呼ばれる歌唱法は、他の地域ではほとんど見られません。ティンクという歌と踊りも、ノルテ・ポトシを特徴づける習俗の一つです。特に、マチャで5月3日の聖十字祭に行われるティンクは有名です。

隣接する県と州

コチャバンバ県
チュキサカ県
タリハ県
フフイ州（アルゼンチン）
アントファガスタ州（チリ）
タラパカ州（チリ）
オルロ県

下位行政区画

ポトシ県は16の郡に分かれており、さらに40の自治体と219のカントンに細分化されています。

関連項目

アイリュ

もう一度検索