ポルトガル領モザンビーク

ポルトガル領東アフリカ

ポルトガル領モザンビーク（ポルトガル語: Moçambique）およびポルトガル領東アフリカ（ポルトガル語: África Oriental Portuguesa）は、19世紀から20世紀にかけてのモザンビークの植民地時代を示す言葉です。この地域は、南東アフリカの沿岸部に位置し、ポルトガルによる植民地支配が長い歴史を持っています。

歴史的背景

1498年、探検家ヴァスコ・ダ・ガマがモザンビークの海岸に到達したことがきっかけで、ポルトガルはこの地域での貿易と植民地拡張を図りました。初めて形成された貿易集落は、後の植民地の基礎となりました。1544年には、ロウレンソ・マルケスがマプト湾の探検を行い、ポルトガルの影響力が徐々に拡大しました。

19世紀後半から20世紀初頭にかけて、ポルトガルは「アフリカ分割」と呼ばれる植民地獲得競争に乗り出し、1918年までにはほぼ全土を支配下に置きました。しかし、この過程で現地住民による激しい抵抗も経験しました。

この時期、モザンビークには「モザンビーク会社」や「ニアサ会社」といった勅許会社が存在し、彼らは特定の地域を商業目的で支配していました。1942年、モザンビーク会社は土地を放棄し、完全にポルトガル政府の管理下に入りました。

地理的側面

ポルトガル領東アフリカは、南部のロウレンソ・マルケスから北部のニアサまで広がっていました。この地域は、デルガード岬やザンベジ川流域など、多様な地理を持っていました。モザンビークの首都はモザンビーク島に位置し、その後ロウレンソ・マルケスに移されました。地域ごとに細分化され、のちに「モザンビーク」として統一されることとなります。

独立への道

1964年、タンザニアに本拠を置くモザンビーク解放戦線（FRELIMO）が、ポルトガルの植民地支配に対する武装闘争を開始しました。この戦争は、ポルトガル領アンゴラやポルトガル領ギニアでの紛争と共に、ポルトガルの植民地戦争の一部として展開されました。サラザール政権はモザンビークを「多大陸・多民族国家」の一部と位置付け、現地住民をヨーロッパ文化に同化させようとしました。しかし、この政策はほとんど効果を上げず、アフリカの独立運動が高まる中で、長大な独立戦争を引き起こしました。

1974年にリスボンでカーネーション革命が勃発すると、FRELIMOは急速に動き出し、同年にはモザンビーク全土を掌握しました。1975年6月にモザンビーク人民共和国としてポルトガルから独立することが実現しました。

関連項目

ポルトガル領モザンビーク出身とされる弥助のように、この地域には多様な歴史と文化が息づいています。ポルトガル領東アフリカの歴史は、モザンビークのアイデンティティを形成する重要な要素であり続けています。

もう一度検索