ポール＝アンリ・サンダオゴ・ダミバ

ポール＝アンリ・サンダオゴ・ダミバ（Paul-Henri Sandaogo Damiba）は、1981年生まれのブルキナファソの元軍人であり、政治家です。2022年のクーデターでロック・マルク・クリスチャン・カボレ大統領を追放し、政権を掌握しました。

初期の経歴

ダミバは、フランスの軍学校「エコール・ミリテール」を卒業しており、ギニアの指導者ママディ・ドゥンブヤと交流がありました。フランス国立工芸院で犯罪学の修士号を取得し、防衛専門家としての知識を深めました。2010年から2020年の間には、アメリカの軍事演習に参加し、人権尊重や武力紛争法などを学んでいます。

軍人から政治家へ

ダミバは、ワガドゥグーなど中南部地方の警備を管轄する司令官を務め、かつてはブレーズ・コンパオレ元大統領のボディガードでした。彼はカボレ大統領に対し、イスラム過激派の鎮圧のためにロシアの民間軍事会社「ワグネル・グループ」の傭兵を雇うよう進言しましたが、受け入れられませんでした。

2022年1月、ダミバはクーデターを起こし、カボレ政権を崩壊させました。クーデターの支持者はロシアの旗を掲げ、ロシアの支援を呼びかけました。軍は憲法を停止し、議会と政府を解散させ、再び軍事政権を樹立。ダミバは暫定大統領に就任しました。世論は彼を支持する声が多いものの、大統領選出が民主的でないため、一部には批判的な意見もあります。

暫定大統領からの失脚

しかし、ダミバの政権は長くは続きませんでした。2022年9月30日、軍内部の反乱グループが国営テレビを占拠し、ダミバの解任を発表。彼はさらなる暴力を避けるため、自ら辞任を申し出ました。その条件として、自身と支持兵士の安全の保証、2024年7月までの立憲統治復帰計画の順守などをイブラヒム・トラオレ大尉に提示し、受け入れられたため辞任に同意。10月2日には隣国トーゴの首都ロメへと亡命しました。

もう一度検索