マウザーMK 30 30mm機関砲

ラインメタルMK 30 30mm機関砲：艦載・車載両用機関砲の傑作

ラインメタルMK 30 30mm機関砲は、かつてマウザー社が開発し、現在はラインメタル・グループが製造する30mm口径機関砲です。1984年の設計開始から、その高い性能と汎用性で、世界各国の軍隊に採用されています。

多様な運用に対応する設計

ガス圧作動方式、二方向装弾式を採用することで、NATO標準の30x173mm弾薬を複数種、迅速に切り替えて使用できます。これは、GAU-8 アヴェンジャーやMk 44 ブッシュマスター IIといった著名な機関砲と共通の弾薬規格であり、高い互換性と補給の容易さを実現しています。

艦載システム：ブレーダ社との協業

艦載用途では、イタリアのブレーダ・メッカニカ・ブレシャーナ社が開発したコンパクト砲システムとの組み合わせが一般的です。ブレーダ社は、40mm機関砲向けのコンパクト砲システムで高い評価を得ており、MK 30向けシステムは、その設計を基にしたスケールダウン版と言えるでしょう。単装型と連装型が用意されており、連装型をベースにしたCIWS（近接防御火器システム）「シー・コブラ・システム」も存在します。艦載用途では、徹甲焼夷弾（API）と焼夷榴弾（HEI）が主な弾種となります。単装型の砲塔重量は1,500～1,980kg、連装型は約3,200kgです。

車載システム：近代的な戦闘車両への搭載

車載用途では、ドイツ連邦軍のプーマ装甲歩兵戦闘車など、多くの近代的な戦闘車両に搭載されています。車載時には、発射速度は毎分200発に制限されます。使用する弾種は、装弾筒付翼安定徹甲弾（APFSDS）と空中炸裂弾（KETF）が中心です。

多様な搭載プラットフォーム

ラインメタルMK 30機関砲は、世界各国で幅広く採用されています。その搭載プラットフォームは多岐に渡り、以下のような例が挙げられます。

スペイン: ピサロ歩兵戦闘車
オーストリア: ウラン歩兵戦闘車
ドイツ: プーマ装甲歩兵戦闘車、ワイルドキャット自走対空砲
フランス: ミストラル級強襲揚陸艦、ジョルジュ・レイグ級駆逐艦

まとめ

ラインメタルMK 30 30mm機関砲は、その高い汎用性、信頼性、そして多様な搭載プラットフォームによって、現代の戦闘において重要な役割を担っています。艦載から車載まで幅広い運用に対応できる能力は、その設計思想の優れた点を示しており、今後も世界の軍事技術において重要な地位を維持していくでしょう。 NATO標準弾薬の採用は、運用コストの削減にも貢献しています。 さらに、ブレーダ社との連携によるコンパクト砲システムは、限られたスペースでの運用を可能にし、様々な艦艇への搭載を容易にしています。 未来においても、改良や派生型の開発が続けられ、更なる発展が期待されます。

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