マクミラン TAC-50

マクミラン TAC-50

マクミラン TAC-50は、アメリカのマクミラン・ファイアアームズによって製造される対物ライフルであり、優れた長距離狙撃能力を持つ銃器です。このライフルは、軍事、法執行機関、さらに民間用のさまざまなバージョンが提供されており、特にカナダの陸軍特殊部隊であるJTF-2によって採用されています。

基本情報

2000年以降、TAC-50はカナダ軍において長距離狙撃武器(LRSW) C15として正式に使用されています。高精度のマッチグレード弾薬を使用することで、理想的な条件下での命中精度はMOA 0.5分を達成することができます。つまり、100ヤードの距離で0.5インチ以内に弾丸が着弾する可能性が高いということです。

設計特性

このライフルは、手動回転ボルトアクション方式を採用しており、安定した発射メカニズムを提供します。重厚なマッチグレードのバレルは、軽量化と熱放散を考慮した溝が施されており、また反動を軽減するためのマズルブレーキも搭載されています。

弾薬は.50 BMGを使用し、5発の取り外し可能な箱型弾倉から供給されます。ストックはグラスファイバー製で、バイポッドと一緒に使用することを前提に設計されています。また、スコープや暗視装置を取り付けるための取り付け機構も備えており、多彩な光学機器との相性が良いのが特徴です。カナダ軍向けモデルでは、ロイポルトのMark 4-16x40mm LR/T M1光学照準器が標準装備され、その後シュミット・アンド・ベンダーの5-25x56 PMIIやNightforce NXS 8-32x56光学照準器も採用されました。

派生型

マクミラン TAC-50は、いくつかの派生型が存在します。具体的には、TAC-50 A1やTAC-50 A1-R2など、さまざまな用途や要件に応じたモデルが製造されています。

世界記録

特筆すべきは、カナダ陸軍特殊部隊JTF-2の狙撃兵がTAC-50を使用して、イラクで3,540メートルの距離から史上最長の狙撃を成功させたことです。この記録は、現在も更新されていない長距離狙撃の一つとなっており、TAC-50の性能を証明しています。

運用国

このライフルは多くの国で採用されており、主な運用国には以下が含まれます:

• - カナダ: JTF-2においてC15として使用
• - フランス: 国際連合保護軍及び海軍コマンド
• - ジョージア: 陸軍及び特殊部隊
• - イスラエル: 陸軍及び海軍の特殊部隊
• - イタリア: 陸軍及び特殊部隊
• - ヨルダン: SRR-61特殊偵察連隊
• - フィリピン: 陸軍
• - 南アフリカ: 警察特殊タスクフォース
• - トルコ: ジャンダルマ
• - アメリカ: Navy SEALsにおいてMk 15として
• - ウクライナ: 陸軍

マクミラン TAC-50は、その高い精度と信頼性から多国籍な運用がなされている優れた狙撃銃であり、戦闘用兵器としての地位を確立しています。

もう一度検索