マジェスティック (客船)

マジェスティック (客船)

マジェスティック（SS Majestic）は、1890年に建造された、ホワイト・スター・ラインが所有していた客船です。

概要

マジェスティックは、ハーランド・アンド・ウルフ社によって建造され、1889年6月29日に進水しました。その後9ヶ月間の艤装工事を経て、1890年3月にホワイト・スター・ラインに引き渡されました。姉妹船にはテュートニックが存在します。

1890年4月2日、マジェスティックはリヴァプール - ニューヨーク間の処女航海に出発し、6日10時間で航海しました。この記録はブルーリボン賞を獲得するには至りませんでしたが、1891年7月30日から8月5日にかけての航海では、平均速力20.1ノットを記録し、西回り航路でブルーリボン賞を受賞しました。しかし、わずか2週間後の8月19日には、姉妹船テュートニックが20.35ノットを記録し、ブルーリボン賞を奪還しました。その後、シティ・オブ・パリが再びブルーリボン賞を獲得しています。

ボーア戦争への従事

1895年、マジェスティックの船長が交代し、エドワード・スミス船長が新たに指揮を執りました（スミス船長は後にタイタニックの船長も務めています。マジェスティックの船長は9年間務めました）。1899年にボーア戦争が勃発すると、マジェスティックは軍隊に徴用され、ケープ植民地付近で軍事輸送船として1899年12月と1900年2月の2回使用されました。この任務遂行中に特筆すべき問題は発生しませんでした。

その後

1902年から1903年にかけて、マジェスティックは再び船長が交代し、改装工事で新しいボイラーが搭載されました。その後、リヴァプール - ニューヨーク間の定期船として航路に復帰しました（スミス船長は客船バルチックの船長に任命されました）。1905年には、マジェスティックの燃料庫で火災が発生しましたが、幸いにも損傷は軽微でした。1907年、ホワイト・スター・ラインの主要港がリヴァプールからサウサンプトンに移転し、同年6月26日、マジェスティックは初めてサウサンプトン港の設備を利用した船舶となりました。

1911年、客船オリンピックが就航すると、老朽化が進んでいたマジェスティックは定期航路から外され、バーケンヘッドのドックに係留されました。1912年4月、タイタニック号の沈没事故が発生したことにより、マジェスティックは代替として一時的に定期航路に復帰しました。

1913年10月17日、マジェスティックは遭難したフランスのスクーナー「ガロン」（Garonne）の救助活動に参加しました。1914年1月14日、最後の航海を終え、その後スクラップとして解体されましたが、内装の一部は取り外され、事務所として再利用されています。

参考文献

Historic information on the Majestic
Info (including photos) from titanic-titanic.com

関連項目

ブルーリボン賞 (船舶)
テュートニック (客船) - 姉妹船
マジェスティック (客船・2代) - 本船と同名、同一所有者の船舶（2代）。
タイタニック (客船)

外部リンク

Historic Ocean Liners
White Star Line on Titanic-Titanic.com
* Majestic at the WSL History site

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