ミゲル・ガルシア・グラナドス

ミゲル・ガルシア・グラナドス：グアテマラの自由主義革命を導いた軍人・政治家

ミゲル・ガルシア・グラナドス（1809年9月29日 - 1878年9月8日）は、スペインに生まれ、グアテマラで活躍した軍人であり政治家です。彼は、グアテマラにおける保守派政治を終わらせ、自由主義的な改革を推進した人物として知られています。1871年から1873年まで、グアテマラの臨時大統領を務めました。

生涯

ガルシア・グラナドスは、1809年にスペインのカディス県エル・プエルト・デ・サンタ・マリアで誕生しました。1811年、彼が幼い頃に家族と共に、当時スペインの植民地であったグアテマラに移住しました。彼は1823年からニューヨーク、フィラデルフィア、ロンドンで学び、1827年にグアテマラへ帰国。中央アメリカ連邦共和国の内戦中、保守派の軍隊に少尉として参加しました。しかし、1829年に自由主義者であるホンジュラスのフランシスコ・モラサンの軍に保守派は敗北しました。

1839年、グアテマラは中央アメリカからの独立を宣言しましたが、その後約30年間は保守派による政治が続きました。1865年にラファエル・カレーラが亡くなると、後継者としてビセンテ・セルナが大統領の座に就きました。この頃、ガルシア・グラナドスは自由主義派の中心人物となっていました。彼は保守派の独裁政治に対する1867年と1869年の反乱に参加しましたが、失敗に終わり、メキシコへ亡命しました。

1871年、ガルシア・グラナドスはフスト・ルフィーノ・バリオスと共に、ビセンテ・セルナを打倒するための自由主義派の軍を率いてメキシコからグアテマラに侵攻しました。同年6月3日、自由主義派はチマルテナンゴ県パツィシアにおいて、セルナ政権の打倒とガルシア・グラナドスの臨時大統領への指名を宣言しました。6月30日には自由主義派がグアテマラシティに入り、セルナ政府は崩壊し、保守派の政治は終焉を迎えました。

ガルシア・グラナドスはグアテマラの臨時大統領に就任し、新政府は出版や信教の自由を認め、公共事業を奨励しました。また、現在までほぼ同じデザインが使用されているグアテマラの国旗・国章を定め、十分の一税の廃止、イエズス会の追放、教育の世俗化の促進など、自由主義的な改革を推し進めました。

しかし、これらの改革を不十分と考えるバリオスは、1872年に軍を率いてグアテマラシティへ行進し、選挙を要求しました。1873年、選挙の結果、バリオスが新しい大統領に選出されました。

ガルシア・グラナドスは1878年にグアテマラシティで亡くなりました。1894年には、彼の遺体が市内の総合墓地に改葬されています。

栄誉

ガルシア・グラナドスの肖像は、グアテマラの10ケツァル紙幣に描かれています。これは、彼がグアテマラの歴史に与えた影響の大きさを物語っています。

ミゲル・ガルシア・グラナドスは、グアテマラの自由主義革命を主導し、近代国家の基礎を築いた重要な人物として、今もなおグアテマラの人々に敬愛されています。

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