ムアンチエンマイ郡

ムアンチエンマイ郡（チェンマイ県）

ムアンチエンマイ郡は、タイの北部に位置し、チェンマイ県の県庁所在地として知られています。この地は、かつてのラーンナータイ王国の首都であったことから、長い歴史と豊かな文化が息づいています。1296年にメンラーイ王によって設立されて以来、チェンマイは北部の文化や経済の中心地として発展を続けてきました。バンコクに次いで、タイ第2の都市とも見なされています。

名称の由来

「チエンマイ」という名前は、「新しい街」を意味します。これは、当時すでに存在していたチエンラーイ（「マンラーイの街」という意味）に対して、新しく建設された都市に名付けられました。さらに、タイ語で「新しい街吉祥なるナコーンピンたるチエンマイ」という長い別名もあり、ナコーンピンという名称も用いられることがありました。

歴史

ラーンナータイ王国の首都は最初、チエンラーイにありましたが、1296年4月12日、メンラーイ王によって正式にチェンマイに遷都されました。この遷都は、タイの宮廷の天文学者と占い師によって選ばれた特定の日と時間に行われました。遷都にあたり、スコータイのラームカムヘーン王やパヤオのガムムアン王が呼び寄せられ、都市計画が立てられました。その結果、チェンマイの街は碁盤の目のような形状を持ち、川からは少し離れた場所に築かれました。

歴史的背景としては、北方の侵攻を避け、地理的に有利なコーク川の近くに位置することで貿易にも適した場所として選ばれました。時間が経つにつれて、チエンマイはラーンナー王朝の首都として栄え、1558年にはビルマのタウングー王朝によって属国化されましたが、征服された後もラーンナー地域の中心としての役割を維持しました。

18世紀後半、ビルマの統治が弱まると、内乱が勃発し、1780年までには都市は荒廃しました。しかし1796年にカーウィラ王がビルマ勢を追放し、チャクリー王朝の支援を受けて再興。これが現在のチェンマイの基盤となりました。

主な寺院と遺跡

チェンマイには、歴史的な寺院や遺跡が数多く残されています。特に有名なのは以下の寺院です：

• - ワット・プラタートドーイステープ
• - ワット・チェンマン
• - ワット・プラーサート
• - ワット・プラシン
• - ワット・パンタオ
• - ワット・チェーディールワン
• - ワット・プワックホン
• - ワット・チェットヨート
• - ワット・スワンドーク
• - ワット・パーデーン
• - ワット・ブッパーラーム
• - ワット・セーンムアンマー
• - ワット・パーターン
• - ワット・タポーターラーム
• - ワット・ウモーンテーラチャン
• - ウィエンクムカーム

地理と気候

チェンマイはバンコクよりも涼しい気候を持ち、特に乾季（11月から1月）には、夜間の気温が12℃に達することもあります。日中の温度は約25℃で、過ごしやすい季節ですが、盆地に位置しているため、4月は非常に暑くなることもあります。

市街地は、堀に囲まれた旧市街とそれを取り巻く新市街から成り、かつては城壁も存在しましたが、道路建設のためにその多くは取り壊されています。現在はターペー門などが名残を留めています。

経済

歴史的には、セラドン焼きや絹織物、漆器、傘などの手工業で知られていましたが、現在は観光業が主な収入源となっています。毎年、ソンクラーン（水掛祭り）やローイクラトン（灯籠流し）には、多くの観光客が訪れます。さらに、チェンマイには多くの日本人居住者があり、日本人会や補習授業校も存在しています。

行政区分

市内には16のタムボンと76の村があり、自治体も2つ設置されています。主要なタムボンには、シープーム、プラシン、ハーイヤーなどがあります。

教育機関

チェンマイには以下の大学があります：

• - チエンマイ大学
• - パーヤップ大学
• - メイジョウ大学
• - チェンマイラチャパット大学

交通

チェンマイ国際空港が市街地から約4km南西に位置しており、北部で最も重要な国際空港です。また、北本線が開通し、バンコクとの間には直通列車が運行されています。市内交通にはソンテウという乗り合いタクシーが広く利用されています。

バスも多くの路線が運行されており、特にバンコクからのアクセスには利用者が多いです。

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