メイン (ACR-1)

USSメイン（ACR-1）

USSメインは、アメリカ海軍の戦艦であり、当初は装甲巡洋艦に分類されていた。この艦は、自国の沿岸防衛のために設計された砲塔装甲艦であり、アメリカ海軍が初めて外洋へ出るための主力艦としての役割を担っていた。特に、沿岸航行を主眼に置くモニター艦が主流の中で、メインは新たな航行能力を有する艦船として誕生した。

艦形

メインの基本設計は、艦首の水面下に衝角を持ち、平甲板型の船体が特徴である。また、前後甲板にはミリタリーマストが1本ずつ立っており、中央部には箱型の操舵艦橋、2本の煙突が配置されている。主武装として、艦の中央部には斜めに配置された連装式主砲塔が2基あり、前方及び後方に主砲を向けることが可能だが、片舷方向には制限があった。このレイアウトは、近代化戦艦が進化する中でイギリス海軍の「コロッサス級」やイタリア海軍の「カイオ・ドゥイリオ級」といった他国艦艇でも見られた。しかし、艦隊が単縦陣を組むようになると、舷側方向に全主砲を向けられる方が利便性が高いと発覚し、次第にこの方式は廃れた。

メインの主機関は、艦中央部の主要防御区画に配置され、石炭を燃料とする円筒缶が片舷に4基ずつ、計8基設置されている。これに加え、3段膨張式レシプロ機関が2基あり、最大出力は9,293馬力を発生させ、速力は16.45ノットに達した。

武装

メインの主砲には「1895年型 Mark 2 25.4 cm後装填砲」が採用され、231.3kgの砲弾を最大仰角15度で18,290mまで届かせる性能を持っていた。また、8,230mで147mmの舷側装甲を貫通できる能力も両立している。副砲としては、速射性を重視して「1885年型 Mark 26 15.2 cm砲」が6基、さらに対水雷艇用の「1880年型 Marks 15.7 cm砲」を7基、対艦攻撃用の35.6cm水上魚雷発射管が4基装備されている。

艦歴

アメリカ合衆国下院は1886年にメインの建造を認可し、1888年に起工した。1895年には就役し、主に東海岸とカリブ海で活動を行った。1898年の1月には、ハバナで発生した暴動に対する保護任務で派遣されたが、その後、メインは悲劇的な事故に見舞われる。

メイン号爆発事件

1898年2月15日にメインはハバナ湾で爆発を起こし、260名の乗員が即死した。この爆発は、後の米西戦争の引き金となり、アメリカ国内での戦争支持を後押しした。爆発の原因は未だに不明であり、機雷説や石炭の自然発火説など様々な説が唱えられている。

メイン号は1910年に引き揚げが認可され、1912年には陸軍工兵隊によって浮上されるも、その後はメキシコ湾に沈められた。犠牲者を悼む記念碑はアーリントン国立墓地に立てられている。

この事件はアメリカ国内外に大きな影響を及ぼしており、現在もその真実を巡って論争が続いている。これらの研究や調査は、メイン号の運命を理解するための鍵となっている。

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