メジロアサマ

メジロアサマについて

メジロアサマ（1966年2月23日 - 1986年12月1日）は、名品種牡馬パーソロンの初期の代表産駒として位置づけられる日本の競走馬です。彼はまた、芦毛の馬として初めて天皇賞に輝いた存在でもあります。オーナーは、メジロ牧場を設立した北野豊吉氏であり、日本屈指のオーナーブリーダーとして知られています。

略歴

異能の血統

メジロアサマの父、パーソロンはトウルビヨン系の種牡馬で、現役時代は目立った成績を収められませんでした。しかし、北野豊吉がシンボリ牧場の和田共弘氏と共に購入して日本に導入したことから、その血統が花開きます。後に、三冠馬シンボリルドルフや日本ダービー馬サクラショウリなど、優れた競走馬を数多く輩出する名種牡馬となりました。当初、パーソロンの子供たちは早熟な短距離向きの印象が強く、長距離適性や成長力に疑念が持たれていました。しかし、メジロアサマはその期待を裏切り、3200メートルの天皇賞（秋）を制し、その後7歳まで走り続けることで、父の産駒に対する先入観を覆しました。

現役時代

メジロアサマは1968年7月にデビューし、初期のレースでは3連勝を達成しましたが、重賞ではなかなか勝ち星を挙げることができませんでした。1969年、ダービーに出走するも、惨敗を喫し、しばらくは地方競馬で活動していました。彼は当時、名門尾形藤吉厩舎に所属しており、その厩舎の中での評価は比較的低かったものの、1970年に保田厩舎へ転厩すると持ち直し、5月の安田記念で初めての重賞勝利を挙げます。その後も函館記念の制覇や天皇賞（秋）での勝利を収め、一流馬の仲間入りを果たしました。

1971年には春の目黒記念で僚友メジロムサシと共にワンツーを決め、以降もアルゼンチンジョッキークラブ杯を制するなど安定した活躍を見せますが、暮れの有馬記念には流行性の病が影響し出走を取りやめざるを得ませんでした。

1972年も現役を続け、アメリカジョッキークラブカップをレコード勝ちし、さらに有馬記念で挑戦しましたが、イシノヒカルに敗れ2着に終わりました。

種牡馬時代

引退後、メジロアサマはパーソロンの後継種牡馬としての道を歩みますが、現役時代にかかった流感による後遺症に悩まされました。初年度の種付けでは全ての牝馬が受胎せず、シンジケートは解散に至ります。それでも、北野氏はメジロアサマの潜在能力を信じ、繁殖牝馬との交配を試みました。結果的に、彼の産駒からは天皇賞優勝馬メジロティターンや、桜花賞2着のメジロカーラなどが誕生しました。特筆すべきは、メジロティターンの産駒メジロマックイーンが天皇賞を制するなど、父子三代で天皇賞制覇を果たすという偉業を成し遂げたことです。

結論

メジロアサマは競走馬としての活躍に留まらず、その血脈を通じて日本競馬の歴史に多大な影響を与える存在となりました。彼の物語は、逆境を克服しながらも不屈の精神で勝利を掴んだ証とも言えるものです。

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