メッサーシュミット・ベルコウ・ブローム

メッサーシュミット・ベルコウ・ブローム（MBB）

メッサーシュミット・ベルコウ・ブローム（Messerschmitt-Bölkow-Blohm 、MBB) は、かつてドイツに存在した航空機メーカーであり、独米の複合企業ダイムラー・クライスラー（現ダイムラー）の傘下にありました。

歴史

MBBの歴史は、複数の航空機メーカーの合併と買収を経て形成されました。

1968年: メッサーシュミットがベルコウと合併し、社名をメッサーシュミット・ベルコウに変更。
1969年: ハンブルクのHFBからブローム・ウント・フォス（Blohm + Voss）の航空機部門を買収し、社名をメッサーシュミット・ベルコウ・ブローム（Messerschmitt-Bölkow-Blohm)に再度変更。
1980年: フォッケウルフとハインケルの後身であるVereinigte Flugtechnische Werkeを吸収。
1998年: ダイムラー・クライスラーグループに買収され、航空機部門はダイムラークライスラー・エアロスペース（DaimlerChrysler AeroSpace AG）と名称を変更。
2000年: ヨーロッパの防衛連携のため、フランスのアエロシパル・マトラ、スペインのCASA、そして旧DASAが合併してEADS（European Aeronautic Defence and Space Company N.V.）が創設。ダイムラークライスラー・エアロスペースはEADSドイツに社名変更。

このように、MBBは数々の変遷を経て、最終的にはヨーロッパの航空宇宙産業再編の波に乗り、EADSへと統合されました。

主な航空機

MBBは、独自の航空機の開発・製造に加えて、国際的な協力事業にも積極的に参加しました。

MBB Bo 105：多用途ヘリコプターとして知られる。
MBB Bo 108：後のユーロコプター EC 135の原型となった。
BK 117：MBBと川崎重工業が共同開発した多目的ヘリコプター。

協力事業

MBBは、ヨーロッパの航空機産業における協力体制の構築に大きく貢献しました。

エアバスA300：ヨーロッパの航空機メーカーが共同開発した最初のワイドボディ旅客機。
エアバスA310：A300を短縮化した派生型。
エアバスA320：革新的な技術を導入したナローボディ旅客機。
ユーロファイター タイフーン：ヨーロッパ各国が共同開発した戦闘機。
パナビア トーネード：イギリス、ドイツ、イタリアが共同開発した多用途戦闘機。
C-160：フランスとドイツが共同開発した輸送機。
X-31：アメリカとドイツが共同で開発した実験機。

これらの協力事業を通じて、MBBはヨーロッパの航空宇宙産業の発展に大きく貢献しました。

現在

MBBという名前は、現在では独立した企業としては存在しません。しかし、MBBが培ってきた技術やノウハウは、EADS（現エアバス）などの企業に引き継がれ、現在も航空宇宙産業の発展に貢献しています。

外部リンク

The Company Daimler-Benz, www.shanaberger.com
MBB Projects AG
MBB Projects GmbH

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