メンフィス (テネシー州)

メンフィスの概要

メンフィスはテネシー州の西部に位置し、州都ナッシュビルに次ぐ大都市です。この都市の名前は、エジプトの古代都市メンフィスに由来しています。19世紀には綿花の集散地として発展し、歴史的には奴隷市場が存在したため、現在でも人口の約60%をアフリカ系アメリカ人が占めています。ミシシッピ川に面したマッド・アイランドでは、米国の歴史と川の文化をテーマにした公園があり、観光にも訪れる人が多いです。

歴史

メンフィス周辺の土地には、先住民であるミシシッピ文化の人々が初めて定住しました。16世紀にスペインの探検家エルナンド・デ・ソトが、17世紀にはフランスの探検家ロベール＝カブリエ・ド・ラ・サールがこの地域を訪れます。1819年、ジョン・オヴァートン、ジェイムズ・ウィンチェスター、アンドリュー・ジャクソンの3人が、ウルフ川の河口の丘にメンフィスを設立しました。南北戦争時には北軍に支配され、補給基地として栄えました。

19世紀の後半には、黄熱病が流行し、人口が大幅に減少しましたが、20世紀に入るとメンフィスは綿花および木材の世界最大の集散地となり、1950年にはラバ市場としても名を馳せました。また、1960年代には公民権運動の中心地となり、メンフィスでマーティン・ルーサー・キング・ジュニアが暗殺されたことは、今も語り継がれています。

地理と人口

メンフィスは、北緯35度7分3秒、西経89度58分16秒に位置し、面積は約763.4 km²です。主な公園にはトム・リー公園やメンフィス植物園があります。また、2000年時点の国勢調査によると、メンフィスの人口は約650,100人で、うち61.41%がアフリカ系アメリカ人です。世帯の多くはひとり親家庭や未婚の女性が多く、貧困問題も抱えています。

治安

メンフィスは高い犯罪率が問題になっており、治安維持のため警察がさまざまな対策を講じています。2023年には、警察官による事件がきっかけで強化部隊が解散されるなど、治安対策が求められています。

文化と音楽

メンフィスは音楽の発展にも寄与し、ブルース、ソウル、ロックンロールなど多様なジャンルが育まれました。エルヴィス・プレスリーやB.B.キングといった偉大なアーティストたちもこの地から生まれました。ビール・ストリートでは多くのライブパフォーマンスが行われ、音楽ファンにとって必見のスポットです。また、毎年開催される「Africa in April」では、アフリカ系文化を祝うイベントが繰り広げられています。

観光地

観光名所としては、グレイスランドやメンフィス動物園、国立公民権博物館などがあります。ビール・ストリートは、特に音楽愛好者に人気があり、多くのライブ演奏が楽しめます。メンフィス国際空港は国内線が中心で、フェデックスの物流拠点としても知られ、多くのフライトがあります。

教育

メンフィスには複数の大学があり、教育面でも充実しています。市内には、メンフィス大学やローズ大学などが存在し、教育機関としても重要な役割を果たしています。

メンフィスは音楽や文化、歴史に富む魅力的な城市であり、訪れるたびに新しい発見がある場所です。

もう一度検索