モロン空軍基地
モロン空軍基地（Base Aérea de Morón）は、スペイン・アンダルシア州セビリア県モロン・デ・ラ・フロンテラ郊外に位置するスペイン空軍の飛行場です。この基地は、アメリカ空軍との共同使用基地としても知られており、イベリア半島における重要な拠点となっています。ロタ海軍基地とは南西に約121km離れています。
1940年、この地はバスケス・サガスティサバル軍用飛行場として建設が始まり、翌年にはスペイン陸軍航空隊の訓練施設として運用が開始されました。1953年には、スペインとアメリカの両政府間で米西防衛協定が締結され、モロンを含む複数のスペイン国内基地がアメリカ軍との共同使用に合意されました。当初は3か所の基地が共用されていましたが、現在ではモロンが唯一の米西空軍共用基地となっています。アメリカ軍にとってモロン空軍基地は、中東および東地中海への地上燃料補給システムの経路上に位置し、その長大な滑走路は戦略的に非常に重要です。このため、北米大陸東部から機動する米軍にとって欠かせない基地となっています。
1958年5月13日、モロン基地にはB-47戦略爆撃機が配備され、その後KC-97空中給油機が支援のために到着しました。また、最初の輪番派遣防空任務戦闘飛行隊は、チャック・イェーガー空軍中佐の指揮下でF-100戦闘機を率いてカリフォルニア州のジョージ空軍基地から到着しました。1962年まで基地は主に即時反撃任務に使用されましたが、同年以降は戦略航空軍団から在欧アメリカ空軍に移管されました。さらに、通信支援のため派遣飛行任務「晴天」として、イギリス空軍アルコンベリー基地からRF-4C偵察機が飛来し、RF-101偵察機装備の偵察飛行隊や第67航空宇宙救出回収隊も展開しました。
1971年、モロン基地は「修正暫定的地位」に再指定され、トレホン空軍基地が主要支援基地（PSB）となりました。1980年代には、スペイン空軍のF-5戦闘機装備の小規模な飛行隊が基地を利用していましたが、大部分の施設は閑散としており、基地運用は制限されていました。しかし、1983年11月には米西合同演習CRISEX 83の期間中、B-52戦略爆撃機がパロマレス米軍機墜落事故以来初めてスペイン空域に進入し、モロン基地に到着しました。
1991年、スペイン基地維持計画でトレホン空軍基地やロタ空軍基地と共にモロン基地も維持されることになりましたが、規模は大幅に削減されました。1995年には第712空軍基地隊が第496空軍基地隊に交代し、アメリカ空軍は制限用途基地として再指定し、戦術作戦実施部隊の常設配備はなくなりました。この時期以降、モロン基地は展開支援のための中継基地として運用されるようになり、湾岸戦争や希望の回復作戦、アライド・フォース作戦ではB-52戦略爆撃機や空中給油機が頻繁に運用されました。1995年から1997年のコロネット・イースト展開では、95機以上の戦闘機や給油機をトルコや西南アジア方面に展開させるための準備拠点となりました。1996年には第496空軍基地隊がイタリアのアヴィアーノ空軍基地の第31支援群隷下となり、1999年のコソボ紛争では広範囲に給油支援を実施しました。2001年には、アフガニスタン方面への展開のために記録的な数の空輸と戦闘機転回を提供し、2003年のイラク戦争では、戦闘機配備支援の中核点として活動が増大しました。2004年に基地は第712空軍基地群からドイツのラムシュタイン空軍基地の第38戦闘支援団隷下に配転され、2007年には第712空軍基地隊が非現役化されました。残余はラムシュタインの第86作戦群第496空軍基地隊隷下で再編成されました。
2013年には、アメリカアフリカ軍（AFRICOM）隷下の危機対応特別目的海兵空地任務部隊（SP-MAGTF CR）が本基地に配備されました。この部隊は、アフリカ地域での自国民や政府関係者、施設に対する脅威に迅速に対処するための即応部隊であり、アフリカ域内に基地を確保できなかったため、本基地に配備されました。2013年4月25日には、最初の海兵隊員が到着し、拠点として稼働を始めました。配備部隊の規模は約500人（うち戦闘要員225人、支援要員225人）で、V-22垂直離着陸型輸送機6機とKC-130空中給油機2機の支援を受けています。
1984年、モロン基地はアメリカ航空宇宙局のスペースシャトルの海外中断着陸（TAL）施設支援計画に参画しました。基地内には特別誘導機器や着陸補助体制が整備され、オービター着陸回収のために訓練を受けた要員が配置されました。1980年代の打ち上げ期間中には、アメリカ空軍の将兵が現場周辺の天気予報を提供し、地元のスペインの天気予報と調整作業を行いました。
スペイン空軍
第11航空団（ユーロファイター タイフーン戦闘機を装備）
第221飛行隊（P-3哨戒機を装備）
第2航空展開支援隊（SEADA）
スペイン税関常設監視隊（第37航空団の下で運用）
緊急事態対処部隊第2大隊（U.M.E- BIEM II）
アメリカ空軍
第496空軍基地隊
アメリカ海兵隊
* 危機対応特別目的海兵空地任務部隊
（スペイン語） Ejército del Aire de España
歴史
1940年、この地はバスケス・サガスティサバル軍用飛行場として建設が始まり、翌年にはスペイン陸軍航空隊の訓練施設として運用が開始されました。1953年には、スペインとアメリカの両政府間で米西防衛協定が締結され、モロンを含む複数のスペイン国内基地がアメリカ軍との共同使用に合意されました。当初は3か所の基地が共用されていましたが、現在ではモロンが唯一の米西空軍共用基地となっています。アメリカ軍にとってモロン空軍基地は、中東および東地中海への地上燃料補給システムの経路上に位置し、その長大な滑走路は戦略的に非常に重要です。このため、北米大陸東部から機動する米軍にとって欠かせない基地となっています。
1958年5月13日、モロン基地にはB-47戦略爆撃機が配備され、その後KC-97空中給油機が支援のために到着しました。また、最初の輪番派遣防空任務戦闘飛行隊は、チャック・イェーガー空軍中佐の指揮下でF-100戦闘機を率いてカリフォルニア州のジョージ空軍基地から到着しました。1962年まで基地は主に即時反撃任務に使用されましたが、同年以降は戦略航空軍団から在欧アメリカ空軍に移管されました。さらに、通信支援のため派遣飛行任務「晴天」として、イギリス空軍アルコンベリー基地からRF-4C偵察機が飛来し、RF-101偵察機装備の偵察飛行隊や第67航空宇宙救出回収隊も展開しました。
1971年、モロン基地は「修正暫定的地位」に再指定され、トレホン空軍基地が主要支援基地（PSB）となりました。1980年代には、スペイン空軍のF-5戦闘機装備の小規模な飛行隊が基地を利用していましたが、大部分の施設は閑散としており、基地運用は制限されていました。しかし、1983年11月には米西合同演習CRISEX 83の期間中、B-52戦略爆撃機がパロマレス米軍機墜落事故以来初めてスペイン空域に進入し、モロン基地に到着しました。
1991年、スペイン基地維持計画でトレホン空軍基地やロタ空軍基地と共にモロン基地も維持されることになりましたが、規模は大幅に削減されました。1995年には第712空軍基地隊が第496空軍基地隊に交代し、アメリカ空軍は制限用途基地として再指定し、戦術作戦実施部隊の常設配備はなくなりました。この時期以降、モロン基地は展開支援のための中継基地として運用されるようになり、湾岸戦争や希望の回復作戦、アライド・フォース作戦ではB-52戦略爆撃機や空中給油機が頻繁に運用されました。1995年から1997年のコロネット・イースト展開では、95機以上の戦闘機や給油機をトルコや西南アジア方面に展開させるための準備拠点となりました。1996年には第496空軍基地隊がイタリアのアヴィアーノ空軍基地の第31支援群隷下となり、1999年のコソボ紛争では広範囲に給油支援を実施しました。2001年には、アフガニスタン方面への展開のために記録的な数の空輸と戦闘機転回を提供し、2003年のイラク戦争では、戦闘機配備支援の中核点として活動が増大しました。2004年に基地は第712空軍基地群からドイツのラムシュタイン空軍基地の第38戦闘支援団隷下に配転され、2007年には第712空軍基地隊が非現役化されました。残余はラムシュタインの第86作戦群第496空軍基地隊隷下で再編成されました。
2013年には、アメリカアフリカ軍（AFRICOM）隷下の危機対応特別目的海兵空地任務部隊（SP-MAGTF CR）が本基地に配備されました。この部隊は、アフリカ地域での自国民や政府関係者、施設に対する脅威に迅速に対処するための即応部隊であり、アフリカ域内に基地を確保できなかったため、本基地に配備されました。2013年4月25日には、最初の海兵隊員が到着し、拠点として稼働を始めました。配備部隊の規模は約500人（うち戦闘要員225人、支援要員225人）で、V-22垂直離着陸型輸送機6機とKC-130空中給油機2機の支援を受けています。
スペースシャトル
1984年、モロン基地はアメリカ航空宇宙局のスペースシャトルの海外中断着陸（TAL）施設支援計画に参画しました。基地内には特別誘導機器や着陸補助体制が整備され、オービター着陸回収のために訓練を受けた要員が配置されました。1980年代の打ち上げ期間中には、アメリカ空軍の将兵が現場周辺の天気予報を提供し、地元のスペインの天気予報と調整作業を行いました。
配置部隊
スペイン空軍
第11航空団（ユーロファイター タイフーン戦闘機を装備）
第221飛行隊（P-3哨戒機を装備）
第2航空展開支援隊（SEADA）
スペイン税関常設監視隊（第37航空団の下で運用）
緊急事態対処部隊第2大隊（U.M.E- BIEM II）
アメリカ空軍
第496空軍基地隊
アメリカ海兵隊
* 危機対応特別目的海兵空地任務部隊
脚注
外部リンク
（スペイン語） Ejército del Aire de España
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