モンゴル国の交通

モンゴル国の交通事情

モンゴルは広大な国土を持つ内陸国であり、その交通体系は特有の事情を抱えています。鉄道、バス、ミクロ、タクシー、レンタカー、航空、フェリーなど、様々な交通手段が存在しますが、それぞれに特徴があります。

鉄道

モンゴルの鉄道網は、旅客輸送よりも貨物輸送に重点が置かれています。国土が内陸であるため、物資の輸送は鉄道に大きく依存しており、これはモンゴルの基幹産業と言えるでしょう。鉄道労働者の給与が教員や警察官よりも高いことからも、その重要性が伺えます。モンゴル縦貫鉄道とその支線が主な路線であり、首都ウランバートル駅を中心に、ロシアや中国への国際列車も運行されています。

バス

都市部では、バスが主要な旅客輸送手段となっています。ウランバートル市内では、路線ごとに番号が振られたバスが運行していますが、多くは循環バスであるため注意が必要です。運行時間は午前7時から午後10時までで、時刻表はなく、乗客が集まり次第出発します。地方へのバス路線も存在しますが、道路状況が悪い場所が多く、長時間の移動を強いられます。

ウランバートル市内には、バスの他にトロリーバスも運行しています。トロリーバスは運賃がバスの半額と安価ですが、速度が遅く、治安の問題もあるため、旅行者にはあまり推奨されません。

ミクロ

ミクロは9人乗りのバンを利用した乗合タクシーのような交通手段です。バスと同様に時刻表はなく、乗客が集まれば出発します。定員を超える乗車も珍しくなく、子供は親の膝に抱かれて乗車することも多いです。ミクロは、基本的にはバス路線に沿って走行しますが、寄り道をすることも少なくありません。地方へ向かうミクロもあり、市場など人が集まる場所から出発することが多いです。

タクシー

モンゴルでは、正規のタクシーが少なく、自家用車でタクシー業務を行う、いわゆる白タクが一般的です。モンゴルの社会では、この白タク行為に罪悪感はなく、広く利用されています。

レンタカー

観光客向けのレンタカーサービスは、運転手付きが主流です。市街地向けのセダンから、悪路に対応したSUV、四輪駆動車、バスまで、様々な車種が利用できます。ウランバートルでは、オートバイや自転車をレンタルするサービスもあります。

航空

ウランバートルのボヤント・オハー国際空港からは、地方の県庁所在地へ国内線が運航されています。使用される機材はプロペラ機で、設備はあまり整っていません。目的地までは1〜2時間で到着しますが、外国人向けの料金が設定されている場合があります。

なお、2020年に開港予定だった新チンギスハーン国際空港は、新型コロナウイルスの影響で開港が延期されています。

フェリー

バイカル湖周辺では観光が盛んで、遊覧船やホバークラフトが運航しています。湖畔のリストビャンカを拠点に、湖上観光を楽しむことができます。

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