モンマス帽

モンマス帽とは

モンマス帽は、15世紀から18世紀にかけて流行したウール製の帽子です。ウェールズ南東の町モンマスで作られ、その名が付けられました。丸型の編み物で、軍人や水夫に広く使われ、様々な国へ輸出されました。

歴史

14世紀初頭、モンマスの北に位置するアーチェンフィールドは、ライランド羊から取れる高品質なウールで知られていました。このウールは上質なフェルトの材料として最適で、モンマスに近いという地理的な利点もあり、製品は容易に広い市場へ供給されました。

15世紀までには、モンマスとその周辺で帽子作りが発展し、当時の裁判記録には「Capper（帽子職人）」という名前が頻繁に登場しました。帽子職人は主に男性で、織工ギルドに所属し、親方評議会によって監督されていたと考えられます。モンマス帽の取引は、かつて「帽子職人の町」として知られたオーバーモノウ地域で特に盛んでした。しかし、モンマスでペストが流行した後、多くの取引がウスターシャーのビュードリーに移ったと考えられています。

モンマス帽が最も流行したのは15世紀から16世紀にかけてです。兵士、水夫、労働者にとって必需品となり、日常的に被られるほど普及しました。19世紀の百科事典には、「イングランドとウェールズの住民の多くが使用した」と記述されています。

1488年の帽子条例では、イングランド国内での外国製帽子の着用が禁止され、違反者には罰金が科せられました。さらに、1571年の条例では、イングランドの都市、町、村に住む6歳以上の人々（未婚女性、貴婦人、名士などを除く）は、祝祭日にイングランド製のウール帽子を着用することが義務付けられました。この法律は国内産業の保護を目的としていましたが、モンマス帽の衰退と外国製帽子の台頭に対抗する意図もありました。しかし、この法律は実効性がなく、1597年に廃止されました。

最も古いモンマス帽の記録は、1576年にギルバート・タルボットが父親のシュルーズベリー伯ジョージ・タルボットに贈った新年の贈り物に関する手紙です。この頃には、モンマス帽は広く普及し、貴族間の贈り物として相応しいものと見なされていました。ヘンリー5世はモンマスの出身であり、シェイクスピアの戯曲『ヘンリー五世』にもモンマス帽に関する記述があります。

1620年代には、マサチューセッツ湾植民地の出資者たちが、入植者の衣類の一部としてモンマス帽を注文しました。ダニエル・デフォーは1712年の『大英帝国全土旅行記』で、モンマス帽をオランダ人水夫が被るものとして記述しています。ロシアのピョートル1世は、1697年に東インド会社で働いた際、モンマス帽を被っていました。

モンマス帽はモンマス以外の地域でも製造されるようになり、一般名詞化しました。コヴェントリーなど他の場所では異なるバリエーションの帽子が作られ、同様の帽子は「ニット帽」、「キルマーノック・カウル」、「スコッチ・ボネット」、「見張り役の帽子」などとも呼ばれました。

構造

モンマス帽は大量に生産されましたが、安価で糸がほつれやすいため、現存するものは多くありません。モンマス博物館に所蔵されている濃茶色の帽子は、環状の取っ手が付いた二層のウールでできています。下縁は折り返して編み込まれており、頂点に向かって編み目を減らし、頂点にはボタンが付いています。帽子はフェルトで防水加工されており、その際に縮小しています。帽子の中心から縁までのサイズは12.7〜15.24センチメートル程度です。

歴史再現を行う団体が同様の帽子を製作しています。

モンマス・キャップ・イン

「モンマス・キャップ・イン」は、アバーガベニーとヘレフォードを結ぶ主要道A465沿い、モノウ川沿いにあったコーチング・イン（宿場）でした。モノウ川はヘレフォードシャーとモンマスシャーの境界にあたります。この宿はケントチャーチの地主の所有地で、小修道院の廃墟に隣接していました。宿は現存しませんが、その名前は地名として残っています。

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