ヤマハ・ブラザーズ

ヤマハ・ブラザーズ：日本プロレス界を彩った伝説のタッグチーム

ヤマハ・ブラザーズは、星野勘太郎と山本小鉄という二人のプロレスラーによって結成された、日本プロレス史に名を刻むタッグチームです。1960年代後半から1970年代にかけて全盛期を迎え、その卓越したテクニックと強力なチームワークで多くのファンを魅了しました。

始まりはアメリカ武者修行

1967年1月、日本プロレス所属の星野と山本は、共にアメリカへ武者修行へと旅立ちます。このアメリカでの経験が、二人の絆を深め、のちのヤマハ・ブラザーズ誕生の礎となりました。カリフォルニア州ロサンゼルスのWWAを皮切りに、テネシー州メンフィスを拠点とするNWAミッドアメリカ（後のCWA）を主戦場として活躍しました。当時、小型ながらパワフルなことで知られていたヤマハのオートバイにちなみ、チーム名は「ヤマハ・ブラザーズ」と名付けられました。

ロサンゼルスでは、WWA世界タッグ王座に挑戦するなど、早くもその実力を世界に示しました。セミファイナルの試合では、エドワード・カーペンティア、ボボ・ブラジル、ペドロ・モラレスといったそうそうたるメンバーが前座を務めたほどでした。メンフィスでは、ファーゴ・ブラザーズやブルー・インフェルノスといった強豪タッグチームと激闘を繰り広げました。

日本プロレスでの活躍と新日本プロレスへの移籍

1967年9月、ダイヤモンド・シリーズで凱旋帰国したヤマハ・ブラザーズは、日本プロレスのミッドカード戦線で活躍します。1971年にはNWAタッグ・リーグ戦にも出場、キラー・コワルスキー&バディ・オースチン、ネルソン・ロイヤル&ポール・ジョーンズといった強豪チームと対戦しました。

その後、山本は新日本プロレスの旗揚げに参加、星野も日本プロレス崩壊後、新日本プロレスに合流。チームは復活し、ロイヤル・カンガルーズ、ハリウッド・ブロンズ、ザ・モンゴルズ、レッド・デビルズといった名タッグチームと数々の名勝負を繰り広げ、アンドレ・ザ・ジャイアントとのハンディキャップマッチにも挑みました。

IWA世界タッグ王座獲得と最後の試合

1979年1月21日、国際プロレスのリングでグレート草津&アニマル浜口からIWA世界タッグ王座を奪取。これがヤマハ・ブラザーズの国内における唯一のタイトル獲得となりました。

1980年4月、山本の引退によりチームは解散。しかし、1992年と1994年には期間限定で復活を果たし、ブラック・キャット&山本広吉、馳浩&小島聡といったチームと対戦しました。

2003年5月1日、新日本プロレスの東京ドーム大会で行われたOBバトルロイヤルでは、2人で優勝。そして2008年12月18日、後楽園ホールでの昭和プロレス第2弾興行でグレート小鹿&ザ・グレート・カブキと対戦した試合が、ヤマハ・ブラザーズのラストマッチとなりました。2010年、山本小鉄、星野勘太郎と、相次いで逝去されました。

獲得タイトル

NWAミッドアメリカ NWA南部タッグ王座（ミッドアメリカ版）：1回
国際プロレス IWA世界タッグ王座：1回

ヤマハ・ブラザーズは、その実力と人気で日本プロレス界に大きな足跡を残した伝説的なタッグチームでした。二人の絆と、数々の名勝負は、多くのプロレスファンの記憶に今も鮮やかに残っています。

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