ネルソン・ロイヤル

ネルソン・ロイヤル（Nelson Royal、本名：Nelson Combs、1935年7月21日 - 2002年2月3日）は、アメリカ合衆国出身のプロレスラーです。ケンタッキー州ホイールライトで生まれましたが、生年を1931年、出身地をテキサス州ダラスとする資料も存在します。

カウボーイ・ギミックとジュニア王座

ロイヤルは、カウボーイをイメージしたキャラクターで、技巧派のベビーフェイス（善玉）として活躍しました。特に、NWA世界ジュニアヘビー級王座を長期間にわたって保持したことで知られています。その王座は、日本でも防衛戦が行われるなど、国際的にもその名を知られていました。

生い立ちとキャリア

日本での紹介においては、牧場主の息子として育ち、ロデオ競技の一種であるスティアー・レスリングで世界記録を樹立したという設定でした。1950年代にプロレスラーとしてのキャリアをスタートさせ、太平洋岸北西部やアリゾナなど、アメリカ各地を転戦しました。1962年には、テキサス西部のアマリロで、ドリー・ファンク・シニアとNWAサウスウエスト・タッグ王座を争いました。1966年には、長身のテキサス・マッケンジーとのカウボーイ・コンビで人気を集めました。

1968年からは、自身と同程度の体格であるポール・ジョーンズを新たなパートナーとして、カウボーイ・コンビを再結成しました。1969年2月には、ジョーンズと共に日本プロレスに初来日し、3月1日に愛知県体育館で行われた大会で、アントニオ猪木と大木金太郎が保持していたアジアタッグ王座に挑戦しました。アメリカでは、ノースカロライナのジム・クロケット・プロモーションズを主戦場とし、1970年9月22日には、ジン・アンダーソンとオレイ・アンダーソンのミネソタ・レッキング・クルーからNWA大西洋岸タッグ王座を奪取しました。また、リップ・ホークとスウェード・ハンセンのブロンド・ボンバーズともタイトルを争いました。ジョーンズとのタッグチームは、日本では「牧童コンビ」と呼ばれ、1970年4月開幕の第12回ワールドリーグ戦と1971年9月の第2回NWAタッグ・リーグ戦にも出場しました。

ジョーンズとのコンビ解消後は、シングル・プレイヤーとして活動し、1974年2月と1975年2月には全日本プロレスに参戦しました。アメリカでは、テネシーのミッドアメリカ地区（後のCWA）を経て、オクラホマのトライステート地区（後のMSWA）に定着し、1976年12月6日にロン・スターを破り、NWA世界ジュニアヘビー級王座を獲得しました。1978年4月には、王者として全日本プロレスに参戦し、5月11日に大阪府立体育館で、アル・マドリルを相手に防衛戦を行いました。帰国後の7月25日には、テキサスのヒューストンでマドリルに王座を奪われましたが、マドリルの病気による王座返上後、再びチャンピオンに返り咲きました。

1979年10月には国際プロレスに来日し、同月5日に後楽園ホールで行われた大会で、阿修羅・原との防衛戦が行われました。しかし、NWA加盟団体である全日本プロレスと新日本プロレスが、ロイヤルの王座を無効であると主張し、タイトルマッチにクレームを付けるという騒動も起こりました。同年、現役を引退して王座を返上しましたが、トライステート地区のプロモーターだったレロイ・マクガークが同王座の運営権を占有していたことに不満を持つ一部のプロモーターが、ロイヤルの引退に伴い独自にジュニア王座を新設しました。この動きに対し、マクガークも従来のジュニア王座を復活させたため、一時的に2つのNWA世界ジュニアヘビー級王座が並立するという事態が発生しました。最終的には、ロイヤルが保持していたタイトルの正当性が認められ、反主流派の王座は「NWAインターナショナル・ジュニアヘビー級王座」と改称され、日本に定着しました。

引退後

引退後は、ノースカロライナ州ムーアズビルでウエスタンショップを経営する傍ら、トレーナーとして後進の指導・育成にも携わりました。輪島大士のコーチも務め、輪島のデビュー翌年の1987年1月と8月には、弟子を伴って全日本プロレスに久々に来日しました。また、ムーアズビルではインディー団体のACW（Atlantic Coast Wrestling）を主宰し、1991年まで運営していました。

1995年5月20日には、ジム・コルネットが主宰していたスモーキー・マウンテン・レスリングのイベントに、レジェンドとして参加しました。

2002年2月3日、心臓発作により70歳で亡くなりました。

得意技

テキサス・ブロンコ・バックブリーカー

獲得タイトル

数多くのタイトルを獲得しています。

育成選手

ケン・シャムロック
輪島大士
ジョニー・エース

など、数多くの選手を育成しました。

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