ユニット・ロード・デバイス

ユニットロードデバイス（ULD）とは

ユニットロードデバイス（ULD）とは、航空貨物をユニット化して輸送するための用具の総称です。ULDには、箱型のコンテナと板状のパレットがあり、これらは国際航空運送協会（IATA）のルールに基づいて規格化されています。航空貨物の約8割が、これらのULDを使用して輸送されています。

空港内では、ULDは空港用ドーリーと呼ばれるトレーラーに乗せて運搬されます。ULDに搭載される貨物は、通常2～3トンの重量になります。

ULDの種類

ULDには、大きく分けてエアクラフトULDとノンエアクラフトULDの2種類があります。

エアクラフトULD：旅客機や貨物機の床面に取り付けられた緊締装置に直接固定できるULDです。
ノンエアクラフトULD：緊締装置に適合しないため、直接固定できないULDです。航空機に搭載する際には、エアクラフトULDに積み付けて固定する必要があります。

また、ULDには以下のような種類があります。

パレット：厚さ5mmのアルミニウム合金製の平板で、標準規格は88 in × 125 in (2.2 m × 3.2 m)です。重量貨物用の大きなサイズのものもあります。貨物をパレットに載せる際には、安全のために網をかけ、盗難や雨濡れを防ぐためにポリシートを被せることもあります。また、パレットのサイズに合わせた金属製やグラスファイバー製のカバーも使用されます。
コンテナ：パレットよりも多様な形状の貨物のユニット化や貨物の保護に適しています。金属製のほか、合板、ファイバーボード、段ボールなどを素材とした使い捨てのコンテナもあります。コンテナ型ULDは、航空機への効率的な積載のため、航空機の下部貨物室に積み込むものは下部の角が、上部貨物室に積み込むものは上部の角が切り落とされた設計になっているものがあります。これらのコンテナは、エスキモーの氷の家に見立ててイグルーとも呼ばれます。一方、20フィート型海上コンテナと同寸法の直方体型ULDも用いられており、同一コンテナによるインターモーダル輸送にも対応できます。

さらに、特別な機能を持つULDとして、保冷・冷凍コンテナや、家畜輸送用の通気孔を設けたコンテナがあります。特殊用途としては、貨客混載機用のクルーレスト用コンテナや、一部機体では燃料タンクとして搭載できるコンテナ型追加燃料タンクもあります。

空港用ドーリー

空港用ドーリーは、ULDや貨物パレットを輸送するための台車です。動力を持たず、牽引車で引かれます。ドーリーの台車高は地上から50cmと世界標準化されています。ドーリーの表面には、ローラーまたはボールベアリングが組み込まれており、ULDの移動をスムーズに行えます。

コンテナローダー

コンテナローダーは、パレットローダーやリフターとも呼ばれ、航空機にコンテナやパレットを搭載するための機材です。コンテナローダーは、ULDを安全かつ効率的に航空機に積み込むために重要な役割を果たしています。

その他の関連情報

グランドハンドリング：航空機の地上業務全般を指します。
受託手荷物：航空会社が乗客から預かる手荷物です。
463Lマスターパレット：軍用機での標準規格のパレットです。戦術輸送機では、胴体全体を貨物室とするため、パレット積みが主流になっています。
荷車：手押しで貨物を運搬するための車両です。

これらの機材とULDが連携することで、航空貨物の輸送は安全かつ効率的に行われています。

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