ライヴ・イン・ロンドン (カーペンターズのアルバム)

『ライヴ・イン・ロンドン』

カーペンターズのアルバム『ライヴ・イン・ロンドン』は、1976年に発表されたライヴ録音で、彼らの2枚目のライヴ・アルバムとなります。この作品は、アメリカ国内では発売されず、特にイギリスと日本での限定的なリリースに留まりました。アルバムの制作に携わったのは、ミュージカル界での演出で名を馳せたジョン・レイトンで、彼の手による視覚的な演出が盛り込まれたツアーの一環として制作されました。

この年のツアーは、音楽だけでなく視覚要素も重要視された独特なエンターテインメントで、ファンの心に残るような体験を提供しました。特に印象的な演出としては、カーペンターズ独特のメドレーが挙げられます。ジャケットには明記されていませんが、「フラット・バロック」は「オンリー・イエスタデイ」と織り交ぜて演奏され、リチャード・カーペンターのピアノ演奏とカレン・カーペンターが叩くドラムスの融合が聴きどころとなっています。

収録曲の概要

協演のアレンジとしても非常に興味深いこのアルバムは、A面とB面にわかれ、それぞれ異なる楽曲が楽しめます。A面は、短い楽曲とともにメドレーが収められています。特に耳を引くのは、「ピアノ・ピッカー」で、ここでリチャードがハンドピアノを披露した後に、カレンがダイナミックにドラムを叩きます。

A面収録曲

1. フラット・バロック (Flat Baroque) – 1:33
2. 見つめあう恋 (There's a Kind of Hush) – 2:16
3. ジャンバラヤ (Jambalaya) – 2:51
4. メドレー (Medley) – 5:34
- ピアノ・ピッカー (Piano Picker)
- ストライク・アップ・ザ・バンド (Strike Up the Band)
- ス・ワンダフル (S'Wonderful)
- ファシネイティン・リズム (Fascinatin' Rhythm)
5. ワルソー・コンチェルト (Warsaw Concerto) – 6:35
6. フロム・ジス・モーメント・オン (From This Moment On) – 2:11

B面では、より長時間にわたるメドレーが展開され、ファンの多くが愛する楽曲が並びます。

B面収録曲

1. メドレー (Medley) – 15:44
- 遙かなる影 (Close to You)
- ふたりの誓い (For All We Know)
- トップ・オブ・ザ・ワールド (Top Of The World)
- 涙の乗車券 (Ticket to Ride)
- オンリー・イエスタデイ (Only Yesterday)
- 愛は夢の中に (I Won't Last a Day Without You)
- ハーティング・イーチ・アザー (Hurting Each Other)
- スーパースター (Superstar)
- 雨の日と月曜日は (Rainy Days and Mondays)
- 愛にさよならを (Goodbye to Love)
- 愛のプレリュード (We've Only Just Begun) – 3:52

参加ミュージシャン

このアルバムには、カーペンターズの二人をはじめ、さまざまなミュージシャンが参加しています。歌とドラムを担当するカレン・カーペンター、ボーカルとキーボードのリチャード・カーペンターを筆頭に、他にもエレクトリックギターやサックスなど、幅広いジャンルの楽器が演奏され、全体的に豊かな音楽性が感じられます。

これらの楽曲と演奏、そして視覚的な演出とのコラボレーションが、このアルバムを単なる音楽以上の存在として昇華させているのです。カーペンターズの魅力を存分に味わえる『ライヴ・イン・ロンドン』は、彼らのファンのみならず音楽好きには必聴の作品でしょう。

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