ラカトシュ・ゲーザ

ラカトシュ・フォン・チークセントシモン・エドラー・ゲーザ

ラカトシュ・フォン・チークセントシモン・エドラー・ゲーザ（Lakatos von Csíkszentsimon Edler Géza, 1890年4月30日 - 1967年5月21日）は、ハンガリーの軍人、政治家であり、首相を務めた人物です。最終階級は大将でした。

生涯

第一次世界大戦

1890年、ラカトシュはブダペストの中流家庭に双子として生まれました。中学校を卒業後、双子の弟カールマーンと共にルドヴィカ士官学校に入学しました。

1910年8月18日、ラカトシュ兄弟はルドヴィカ士官学校を卒業し、少尉に任官。共にハンガリー第1歩兵連隊に配属され、1912年からはハンガリー第14歩兵連隊に所属しました。1913年にはハンガリー第1歩兵連隊に戻り、1914年8月1日に中尉に昇進しました。

第一次世界大戦に従軍しますが、9月にカールマーンが戦死。ラカトシュはカールマーンの遺体を回収しようと試みましたが、発見には至りませんでした。同年、東部戦線で銃弾を受け負傷。回復後の12月22日からは防諜に従事し、1915年4月から7月までハンガリー第125歩兵旅団参謀を務め、7月14日からはハンガリー第38歩兵旅団参謀を務めました。

1916年12月にはドイツ軍との連絡将校となり、1917年5月1日に大尉に昇進しました。

ホルティ政権

軍人

第一次大戦終結後、国防大臣ボーム・ヴィルモスの副官を務めた後、1919年9月に警察本部参謀となり、1920年10月までその職にありました。

1921年、ブダペスト陸軍士官学校の教官となり、戦争と軍事組織論の講義を担当しました。

1923年、陸軍省に配属され1928年5月まで様々な部門を経験。同年少佐に昇進すると同時にナイトの称号を得ました。5月7日にプラハ駐在武官に任命され、在任中の1929年5月1日に中佐に昇進しました。1934年、ハンガリーに帰国後、11月1日に大佐に昇進し、14日にはハンガリー第13歩兵連隊長に任命されました。

1938年5月1日、ハンガリー第1歩兵混成旅団長、1939年1月23日にハンガリー第3歩兵旅団長に任命され、11月1日に少将に昇進しました。

1940年3月1日、ハンガリー第2軍参謀長に任命。1941年8月1日にはハンガリー第8兵団司令官に任命され、11月1日に中将に昇進しました。

1943年5月1日、ウクライナ占領軍司令官に任命され、キエフに赴任。ウクライナでは橋や道路の補強工事を指示しました。8月1日に大将に昇進し、ハンガリー第2軍司令官に任命されました。しかし、第2軍は消耗が激しく、戦闘を継続できる状態ではありませんでした。そのため、1944年3月9日にアドルフ・ヒトラーと会談し、部隊の改善を要請しましたが、ヒトラーは改善を約束したものの実行されることはなく、第2軍はドイツ軍の前線を安定化させるために移動させられました。

4月1日、ハンガリー第1軍司令官に任命されますが、5月5日に国防大臣から帰還命令を受け、26日に司令官職をベレグフィ・カーロイと交代しました。

首相

ブダペストに帰還後、ホルティ・ミクローシュと会談したラカトシュは、その場で首相就任を打診されます。

8月29日、親独派のストーヤイ・デメ首相が解任され、後任の首相に就任。ホルティから連合国との和平交渉を進めるように命令されます。ラカトシュは和平交渉を進めると同時に、ストーヤイが行っていたユダヤ人の強制移送を停止させましたが、ソビエト連邦が和平交渉を拒否したため、交渉は失敗に終わりました。

10月15日、ドイツ軍がパンツァーファウスト作戦を発動し、サーラシ・フェレンツ率いる矢十字党のクーデターによって政権は崩壊。ラカトシュは解任後の21日にナチス・ドイツに引き渡され、終戦までショプロンに軟禁されました。

死去

1945年4月1日、ドイツ軍撤退後にソ連軍に逮捕され1946年1月29日まで抑留されました。解放後の1951年にハンガリー人民共和国政府から居住制限を受け郊外に転居し、後にエールドに移りました。

1965年、娘が移住していたオーストラリア・アデレードを訪れ同地に定住し、1967年5月21日に脳出血で死去しました。

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