ラクスジェン

ラクスジェン（Luxgen）とは

ラクスジェン（Luxgen、納智捷）は、台湾の自動車メーカーである裕隆汽車が展開する高級車ブランドです。ブランド名は、「高級」を意味する英語の「Luxury」と「天才、優秀」を意味する「Genius」を組み合わせた造語で、その名の通り、革新的な技術とデザインを追求しています。

歴史

1953年の設立以来、裕隆汽車は長年にわたり日産自動車と技術提携を行ってきました。しかし、2003年に日産車の製造部門が裕隆日産汽車として独立したため、新たな提携先を模索し、2005年にアメリカのゼネラルモーターズ（GM）と共同で「裕隆通用汽車股份有限公司」を設立しました。これにより、キャデラック、ビュイック、オペルといったGM傘下のブランドの車種の販売を開始しましたが、2008年12月にGMとの資本提携を解消。この結果、2009年1月に台湾初のオリジナルブランドであるラクスジェンを立ち上げることになりました。

2014年には、日産・GT-Rの初代開発主管を務めた水野和敏氏を開発担当副社長として迎え入れ、技術力の向上を図りました。しかし、販売不振により2020年には中国本土から撤退し、現在は台湾市場のみで販売を行っています。2022年にはブランドロゴを一新し、新たなスタートを切っています。ラクスジェンのディーラーは「汽車生活館」と呼ばれ、日産ディーラーと隣接していることが多いのも特徴です。

特徴

ラクスジェンの全車種に共通する特徴として、HTCと共同開発した情報端末「THINK+」が搭載されています。これは、ナビゲーションシステムとしての機能だけでなく、通話やインターネット接続も可能にする先進的なシステムです。また、車両内外には複数のカメラが搭載されており、ドアミラーのカメラで側方を確認できる「Side View+」、上空から見下ろすように周囲を確認できる「Eagle View+」、車線逸脱防止支援システムの「LDWS+」、夜間視界補助機能である「Night Vision+」など、先進安全技術も積極的に採用されています。

ラインナップ

2023年5月現在、台湾国内で販売されているのは、URX、U6、N7の3車種です。生産は裕隆汽車の苗栗工場で行われています。かつては、東風汽車との合弁事業により中国本土でも現地生産が行われていました。車名は、車型をアルファベット、車格をアラビア数字で表すという特徴があります。

ラクスジェン・URX NEO
2019年10月に発表された中型クロスオーバーSUVで、ラクスジェンのラインナップの中で最も新しい車種です。台湾市場で唯一、福祉車両の設定があるのが特徴です。2022年の大幅改良時に「NEO」のサブネームが追加されました。

ラクスジェン・M7ターボ/M7 EV+/V7ターボ
2009年8月に発表されたミニバン（MPV）。EV+は電気自動車モデルです。2014年4月の改良時に名称が変更されました。V7ターボは、M7ターボをベースに、車椅子のまま乗車できるようにハイルーフ化された派生車種です。

ラクスジェン・U7ターボ
2010年5月に発表された大型クロスオーバーSUVで、2013年9月の改良時に名称が変更されました。

ラクスジェン・U6 NEO
2013年11月に発表された中型クロスオーバーSUVで、S5ターボをベースとしています。2023年5月の大幅改良時に「NEO」のサブネームが追加されました。

ラクスジェン・U5
2017年8月に発表された小型クロスオーバーSUVで、S3をベースとしています。

ラクスジェン・S5ターボ
2011年12月に発表され、2012年4月より発売開始されたブランド初の4ドアセダンです。2013年12月の改良時に名称が変更されました。

ラクスジェン・S3
2016年5月に発表されたラクスジェンの最小車種です。

ラクスジェン・N7
2022年9月に発表され、2023年下半期から供給が開始されたブランド初のEVモデルです。鴻海精密工業との共同開発によって誕生しました。


ラクスジェンは、台湾の自動車産業を牽引するブランドとして、今後も独自の技術とデザインで市場に挑戦し続けるでしょう。

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