ラグラン伯爵

ラグラン伯爵は、スコットランド貴族の爵位であり、1697年にジョン・ダグラス＝ハミルトンによって創設されました。しかし、1810年に3代目の当主が亡くなったことで、その歴史に幕を閉じました。

ラグラン伯爵の歴史

初代ラグラン伯爵 ジョン・ダグラス＝ハミルトン（1665-1744）は、初代セルカーク伯爵ウィリアム・ダグラス＝ハミルトンの四男でした。1697年4月14日、彼はラグラン伯爵、リッカートン子爵、ヒルハウス卿に叙されました。これらの爵位はすべてスコットランド貴族爵位であり、初代伯の男系子孫だけでなく、女系子孫も継承できる特別な継承規定が設けられていました。

1739年、ジョンは兄チャールズの死去に伴い、セルカーク伯爵位も合わせて継承しました。彼の死後、ラグラン伯爵位は特別継承規定に基づき、娘のアンが継承しました。一方、セルカーク伯爵位は、2代伯と3代伯の弟の孫であるダンバーが相続しました。

2代ラグラン女伯 アン・ハミルトン（1698-1748）は、第2代マーチ伯爵ウィリアム・ダグラスと結婚し、息子のウィリアムをもうけました。彼女の死後、ウィリアムが爵位を継承することになりました。

3代ラグラン伯 ウィリアム・ダグラス（1725-1810）は、「オールド・Q」というニックネームで知られる人物でした。彼は好事家であり、浪費家としても悪名が高かった人物です。父の死後、ラグラン伯爵位を継ぐ前に、まず名門であるマーチ伯爵位を相続しました。1748年には、母からラグラン伯爵位を継承しました。さらに1778年、叔父である第3代クイーンズベリー公爵チャールズ・ダグラスが亡くなると、クイーンズベリー公爵位を含む15もの爵位を継承しました。

しかし、ウィリアムには子供がいなかったため、彼の死によってラグラン伯爵、リッカートン子爵、ヒルハウス卿の3つの爵位はすべて廃絶しました。父系由来のマーチ伯爵位は、遠縁のウィームズ伯爵家に受け継がれました。また、女系継承が認められていたクイーンズベリー公爵位とその従属爵位は、バクルー公爵家に相続されました。一方、特別継承規定を持たないクイーンズベリー侯爵位とその従属爵位は、サー・チャールズ・ダグラスが相続しました。

ラグラン伯爵 (1697年)

初代ラグラン伯爵（第3代セルカーク伯爵）：ジョン・ダグラス＝ハミルトン（1664–1744）
第2代ラグラン女伯爵：アン・ハミルトン（1698–1748）
第3代ラグラン伯爵（第4代クイーンズベリー公爵）：ウィリアム・ダグラス（1725–1810） - 1810年にラグラン伯爵位廃絶

参考文献

森護『英国の貴族 遅れてきた公爵』大修館書店、1987年。ISBN 978-4469240979。

関連項目

ハミルトン公爵
クイーンズベリー公爵
* セルカーク伯爵

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