リンク 14

リンク 14（英語: Link 14）

リンク 14は北大西洋条約機構（NATO）によって標準化された戦術データ・リンクの一つです。もともとはB-Linkという名前で知られていましたが、その後この戦術通信規格が広く認識されるようになりました。主にアメリカ海軍が開発した海軍戦術情報システム（NTDS）に関連しており、急速に変化する海上戦闘環境において、艦船間の情報共有を効率的にするための手段として位置づけられています。

開発背景と目的

旧来のリンク 11は、データ・リンクの標準規格として使われていましたが、このリンクの使用には大規模な情報処理装置や多くの電力が求められ、特に古い艦船や小型艦ではそのようなシステムを搭載することが難しい状況がありました。そこで、NTDSを搭載した艦船から情報を非搭載艦に伝送するための新たなデータ・リンクとして、リンク 14が開発されました。この新しいリンクは、情報通信の質を保ちつつ、小型艦でも活用できるように設計されています。

技術的特性

リンク 14は、受信機に応じて異なる周波数帯を使用することができ、短波（HF）、超短波（VHF）、そして極超短波（UHF）を利用可能です。これにより、多種多様な状況や環境においても柔軟に対応できるメリットがあります。伝送速度は75 bps（ビット毎秒）であり、比較的低速ですが、情報の配送をシンプルにし、装置の負担を軽減しています。

メッセージのフォーマットはSTANAG 5514として定義されており、基本的にはリンク 11で共有される情報をラジオテレタイプ（RTTY）の形式でテキスト化したものです。このため、受信側では特別な設備を必要とせず、通常のテレタイプ端末でメッセージを受信できます。これによって周辺のシステムとの互換性が高まり、簡単な操作で情報を確認できるようになっています。

課題と実用性

ただし、リンク 14を使用する際には一つの問題点があります。それは、NTDSで共有される情報量が多いため、手動でデータをプロットする必要があり、このプロセスが飽和状態を引き起こすことです。海上自衛隊がはつゆき型護衛艦に実装したOYQ-5においても、後にリンク 14によるデータ入力機能が追加されることになりましたが、タイムロスの問題が依然として実用性の妨げとなっています。さらに、アメリカ海軍の初期のオリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲートで搭載されていたJTDSも、リンク 14からの情報入力を採用していましたが、後に改修によりリンク 11に対応しました。

このように、リンク 14には利便性がありながらもいくつかの課題を抱えた技術であると言えるでしょう。情報通信の効率化を狙ったこの技術は、海上戦力の強化に寄与する一方で、運用面での改善が求められる状況でした。実際には、北大西洋条約機構でのリンク 14の運用は2000年に終了し、新たな通信規格へと移行することが必要となりました。今後の発展に期待される技術の一つとして、リンク 14はその歴史に名を刻んでいます。

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