レオンティン・プライス

メアリー・ヴァイオレット・レオンティン・プライス（1927年2月10日生まれ）は、アメリカ合衆国ミシシッピ州ローレル出身のソプラノ歌手です。彼女は20世紀後半を代表するオペラ歌手の一人として、世界中でその才能を高く評価されました。

生い立ちと初期の音楽教育

プライスは、幼少期から音楽に親しみ、1937年にオーク・パーク高等専門学校に入学すると合唱団で歌を学び始めました。その後、ウィルバーフォース大学に進学しますが、その卓越した歌唱力が認められ、ジュリアード音楽院に奨学生として入学。フローレンス・ペイジ・キンボールに師事し、本格的な声楽の訓練を積みました。

プロとしてのキャリア

1952年、プライスはダラスで歌手としてデビューを飾り、その才能を広く知られるようになりました。1955年には、NBCのオペラ放送に出演し、全国的な名声を獲得します。さらに、1957年にはサンフランシスコ歌劇場でフランシス・プーランクのオペラ『カルメル派修道女の対話』に出演、翌年にはヘルベルト・フォン・カラヤンの招きでウィーン国立歌劇場のヴェルディの『アイーダ』に出演し、国際的な評価を確立しました。

1958年にはコヴェントガーデン王立歌劇場、1960年にはミラノ・スカラ座、1961年にはメトロポリタン歌劇場と、名だたるオペラハウスに次々と登場し、国際的なオペラ歌手としての地位を不動のものとしました。彼女は、その美しい声と卓越した演技力で、数々の役を演じ、観客を魅了しました。1985年にオペラからは引退しましたが、その後もリサイタル歌手として活動を続け、その歌声を披露しました。

主要な出演オペラ

プライスは、以下のオペラで重要な役を演じました。

『アイーダ』アイーダ
『魔笛』パミーナ
『ドン・ジョヴァンニ』ドンナ・アンナ
『蝶々夫人』蝶々さん
『イル・トロヴァトーレ』レオノーラ
『トゥーランドット』リュー
『西部の娘』ミニー
『トスカ』トスカ
『エルナーニ』エルヴィーラ
『エフゲニー・オネーギン』タチアーナ
『コジ・ファン・トゥッテ』フィオルディリージ
『仮面舞踏会』アメリア
『アントニーとクレオパトラ』クレオパトラ
『運命の力』レオノーラ
『マノン・レスコー』マノン
『ナクソス島のアリアドネ』アリアドネ

これらの役柄を通じて、彼女はオペラの歴史にその名を刻みました。特にヴェルディのオペラでの彼女の演技は高く評価され、その美しい歌声と、役柄に深く入り込む演技力は、多くのファンを魅了しました。

プライスのキャリアは、その卓越した才能と努力によって築き上げられました。彼女は、多くの若い歌手にとって模範となり、その芸術的遺産は、今後も長く語り継がれるでしょう。

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