レコード・コレクターズ

『レコード・コレクターズ』（Record Collectors' Magazine）は、1982年（昭和57年）に創刊された日本の月刊音楽雑誌で、株式会社ミュージック・マガジンから発行されています。通称「レココレ」として、長年にわたり多くの音楽ファンに愛読されています。

創刊と変遷

1982年4月、当初は『ミュージック・マガジン』の別冊として隔月刊でスタートしました。その後、独立し、1985年5月号（Vol.4, No.1）から月刊誌としての刊行が開始されました。雑誌の中心となるのは、過去の名盤のリイシュー（再発売）盤に関する特集やレビュー記事です。これらの記事を通して、音楽史における重要な作品やアーティストを深く掘り下げています。

創刊当初は、ジャズ、ロック以前のポピュラー音楽、R&B、ジャイブといったジャンルが主な対象でしたが、1986年9月号（Vol.5, No.9）の特集「ガール・グループス」と「ボサ・ノーヴァ」を機に、1960年代以降のポップスやロックへと取り扱い範囲を広げました。この方針転換によって、より幅広い音楽ファンに支持されるようになりました。

編集方針の特徴

毎号、老舗音楽誌ならではの独自の視点と編集方針が際立っています。たとえば、2020年5月号では、「聴き手を魅了してやまない60年代～80年代の名演を徹底解説」というテーマを掲げ、『究極のギター・ソロ：ロック編』と題した特集を掲載しました。この特集では、25人の執筆陣が「究極のギター・ソロ」と考える楽曲を203曲選び、詳細な解説を加えて紹介するという、他の音楽専門誌では見られないユニークな企画を展開しています。このような企画は、音楽ファンからは高く評価されており、「これまでにありそうでなかった」と評されることも少なくありません。

歴代編集長

これまでに、数々の編集者が雑誌の舵取りを行ってきました。以下は、歴代の編集長とその在任期間です。

中村とうよう（創刊号 - 1989年4月号）
脇谷浩昭（1989年5月号 - 1993年4月号）
寺田正典（1993年5月号 - 2011年9月号）
佐藤有紀（2011年10月号 - 2020年12月号）
祢屋康（2021年1月号 - 現在）

主な執筆者・寄稿者

『レコード・コレクターズ』には、音楽業界の著名な評論家、ミュージシャン、ライターなどが多数寄稿しています。以下に、主な執筆者・寄稿者を挙げます。

青山陽一 - シンガーソングライター
岡田敏一 - 産経新聞編集委員
大鷹俊一 - 音楽評論家
サエキけんぞう - ミュージシャン
篠原章 - 評論家・元大東文化大学教授
杉原志啓 - 音楽評論家
中村公輔 - ミュージシャン・作曲家
萩原健太 - 音楽評論家
長谷川町蔵 - 著述家
本秀康 - イラストレーター・漫画家。ジョージ・ハリスンの熱狂的ファン、コレクター
安田謙一 - 文筆家
* 湯浅学 - 音楽評論家

まとめ

『レコード・コレクターズ』は、創刊から今日に至るまで、音楽ファンにとって欠かせない存在であり続けています。リイシュー盤のレビューや特集記事を通じて、音楽の歴史や魅力を深く探求し、音楽への愛情と知識を深めることができるでしょう。その独自の編集方針と質の高い記事は、他の音楽雑誌とは一線を画し、音楽ファンから絶大な支持を得ています。

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