レゾナント・システムズ

株式会社レゾナント・システムズは、鉄道車両、バス、トラックといった輸送機器向けの音声合成技術を基盤とした、安全確認機器や放送装置の開発・製造・販売を手掛ける企業です。また、ゴルフ場カートやホテル向けの管理システムも提供しています。同社は富士急行グループの一員であり、その技術力は業界内で高く評価されています。なお、NTTレゾナントとは資本関係はありません。

1962年には、日本初となる磁気テープを用いたアナウンス装置を開発・発売し、業界に先駆けて技術革新を推進しました。その後、2007年4月1日に富士急情報システムとの合併を経て、ネプチューンから現在の社名であるレゾナント・システムズへと変更しました。

社名の「レゾナント」は、英語で「共振・共鳴」を意味する言葉に由来します。この名称には、旧ネプチューンと富士急情報システムのハードウェアとソフトウェアが互いに共鳴し、新たな価値を生み出すことを願う意味が込められています。

同社の主力製品は、路線バス向けの放送装置です。テープ時代から国鉄バス（現在のJRバス）に広く採用され、その実績を積み重ねてきました。1986年には、日本初のフル音声合成放送装置TLS-1を富士急行バスに納入。その後、改良を重ね、乗降実績データの吸い上げをSRAMカード化したTLS-2を開発しました。音声合成技術が黎明期にあった当時、これらの製品は京成グループをはじめとする多くのバス事業者に採用されました。

さらに、データの注入媒体を従来の カセットストリーマからフラッシュメモリーカードに変更したFC-5100を開発。この製品は、今日まで続くロングセラーとなり、改良型のFC-6000とともに、多くのバス事業者で現在も利用されています。近年では、放送内容や連動機器の増加に伴うメモリー容量の逼迫に対応するため、内蔵メモリーの大容量化（標準64MB）を図ったFC-7000を開発しました。

また、同社は画像案内システム「ビジュアルコーダーVC-3000」も開発しました。このシステムは、音声合成放送装置と接続することで、放送内容に合わせた画像をモニター画面に出力します。FM文字放送受信ユニットを接続すれば、文字放送も表示できるため、主に高速バスなどに採用されました。現在では、FC-7000にビジュアルコーダーの機能を統合したFCV-7000も発売しており、FC-7000と併せて販売を強化しています。

これらの製品は、レシップ（旧：エスライト）にもOEM提供されています。

主な取引先は以下の通りです。

バス機器
富士急グループ
ジェイ・アール北海道バス (FC-5100/6000/7000B, VC-3000)
札幌市交通局（札幌市電）(FC-7100)
沿岸バス (FC-6000)
阿寒バス (FC-6000)
八戸市交通部
南部バス
福島交通（福島支社管内、鉄道部含む） (FC-6000)
船橋新京成バス (SVC-2701W, FC-7000)
松戸新京成バス (FC-7000, MVC-1100, SVC-2701W, TFD-7000)
川崎市交通局 (FC-5100) ※現在は小田原機器製の放送装置に全車両交換済み
神奈川中央交通 ※おしらせ安全くんをほぼ全車に搭載。車内放送装置はクラリオン製を採用
山梨交通
都営バス (FC-7000 (2006年度購入), FC-7000E (2007年度購入), TFD-7000, TFD-8000 ※TFD-7000は後継機種のTFD-8000への交換が進んでいる)
京成バス、京成タウンバス、京成トランジットバス
ジェイアールバス関東 (FC-5100/6000/7000, VC-3000, FCV-7000)
西武バス (FC-7000)
京王バス東（世田谷営業所） (TFD-8000)
西東京バス
越後交通
頸城自動車
長野電鉄
[アルピコ交通]
名古屋市交通局
京阪宇治交通（現在会社解散。最末期に取引あり） (FC-6000)
京都[[京阪バス]] (FC-6000)
京阪バス（山科・男山の一部車両のみごく一時期に使用） (FC-6000)
阪神バス (FC-6000)
岡山電気軌道（バス部門のみ）
広電バス
ことでんバス
伊予鉄道
とさでん交通
* 大分交通

これらの取引先からもわかるように、レゾナント・システムズは、バス業界において確固たる地位を築いている企業と言えるでしょう。

外部リンク

株式会社レゾナント・システムズ

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