レゾリューション (戦艦・2代)

レゾリューション (HMS Resolution): イギリス海軍戦艦の激動の生涯

レゾリューションは、イギリス海軍が第一次世界大戦と第二次世界大戦で使用したリヴェンジ級戦艦です。1913年11月29日に起工され、1915年1月14日に進水、1916年12月30日に就役しました。その艦歴は、平和な時期の地中海艦隊配備から、激動の戦争へと大きく変化していきます。

平穏から激動へ：初期の艦歴と悲劇

就役後、レゾリューションは海軍休日時代には地中海艦隊に所属していました。しかし、1924年1月10日、イギリス海峡での演習中に潜水艦L24と衝突するという悲劇に見舞われます。この事故でL24は沈没し、乗組員全員が命を落としました。この事故は、レゾリューションの艦歴に暗い影を落とす出来事となりました。

1930年代半ばには、イタリアとエチオピア間の緊張の高まりを受け、レゾリューションは地中海でイタリア海軍を牽制する役割を担いました。これは、第二次世界大戦勃発への序章となる、緊張感漂う時代でした。

戦火の渦中へ：ノルウェーの戦いからダカール攻撃まで

1940年4月以降、レゾリューションはノルウェーの戦いに参戦します。5月16日にはナルヴィクでドイツ空軍の爆撃を受け、250kg爆弾の直撃により小破する被害を受けました。

修理後、レゾリューションはジブラルタルを拠点とするH部隊に配備されました。7月初旬には、ジェームズ・サマヴィル提督の指揮下、フランス海軍の戦艦に対する艦砲射撃を行い、戦艦「ブルターニュ」を撃沈するという戦果を挙げます。

その後、9月にはダカール攻撃（メナス作戦）に参加。ジブラルタルから出撃し、上陸部隊と合流、ダカール沖に到着しました。そこで、ヴィシーフランス軍の砲台や戦艦「リシュリュー」と交戦しますが、作戦は芳しい成果を生み出せませんでした。

9月25日、レゾリューションはフランス潜水艦ベヴェジエの魚雷攻撃を受けます。魚雷1本が命中し、左舷ボイラー室が浸水、傾斜し、主砲は使用不能となりました。ボイラー室では火災が発生し、速度は12ノットに低下。この損傷により、ダカール攻撃作戦は中止を余儀なくされ、レゾリューションは曳航されてフリータウンにたどり着きました。

再起と東洋艦隊：セイロン沖海戦と終焉

1941年3月、レゾリューションはアメリカ合衆国のフィラデルフィア海軍造船所で修理と改装を受けます。9月下旬には、僚艦と共に戦線に復帰しました。

1942年、東洋艦隊に配備されたレゾリューションは、日本海軍の南雲機動部隊とインド洋で対峙します。セイロン沖海戦では、東洋艦隊のB部隊に所属し、日本海軍の脅威と戦いました。「ウォースパイト」がヨーロッパへ戻ると、レゾリューションは東洋艦隊の旗艦となりました。

1944年には練習艦となり、15インチ砲はロバーツ級モニターに移設されました。そして1948年5月5日、レゾリューションはスクラップとして売却されました。しかし、その15インチ砲1門は現在も帝国戦争博物館に展示され、レゾリューションの激動の生涯を語り継いでいます。

参考文献

「世界の艦船増刊第22集　近代戦艦史」(海人社)
「世界の艦船増刊第83集　近代戦艦史」(海人社)
「世界の艦船増刊第30集　イギリス戦艦史」(海人社)
「世界の艦船増刊第67集　第2次大戦時のイギリス戦艦」(海人社)
Peter C. Smith, Battleships at War: HMS Royal Sovereign and Her Sister Ships, Pen & Sword Maritime, 2009, ISBN 978-1-84415-982-6
国立国会図書館デジタルコレクション
海軍研究社編輯部 編『ポケット海軍年鑑 : 日英米仏伊独軍艦集. 1935年版』海軍研究社、1935年5月。
海軍研究社編輯部 編『ポケット海軍年鑑 : 日英米仏伊独軍艦集. 1937,1940年版』海軍研究社、1937年2月。
* Maritimequest HMS Resolution Photo Gallery

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