レンフェ100系

レンフェ100系：スペイン高速鉄道の先駆け

レンフェ100系は、スペイン国鉄（レンフェ）が高速列車AVEのために導入した、スペイン初の動力集中方式を採用した高速鉄道車両です。フランス国鉄（SNCF）のTGV Atlantique編成をベースとして、アルストム社によって製造されました。

車両の特徴

編成は、両端に動力車2両、中間に連接客車8両という構成になっています。動力車1両あたりの定格出力は4,400kWです。信号・保安装置については、製造当初からレンフェで使用されているASFA200とLZBを搭載していました。2004年以降は、ヨーロッパ共通規格であるERTMSが追加で設置されています。

また、スペイン特有の夏期の高温に対応するため、搭載機器の冷却システム能力が向上されています。客室の内装など、細部の仕様はベースとなったTGV Atlantique編成とは異なっています。

導入と運用

24編成が発注され、1991年から1993年にかけて18編成が納入されました。残りの6編成は、アルストム社の納入遅延に対する補償として仕様が変更され、広軌在来線区間を運行するユーロメッド用101系として導入されました。

第15編成は、試験走行において当時のスペインにおける列車最高速度記録である356.8km/hを樹立しました。

100系は通常、マドリード＝セビリア高速鉄道線に投入されています。北東回廊（マドリード＝サラゴサ＝バルセロナ＝フランス）には、タルゴをベースとした客車が投入されていますが、北東回廊での使用も考慮してパンタグラフの交換やERTMSの搭載が順次進められています。導入から15年以上が経過したため、車両の更新工事も進められています。

国際乗り入れ

2013年12月15日からは、TGVの技術を基盤とし、直流区間も走行可能な本系列を使用したAVEのフランス直通列車の運行が開始されました。マドリードまたはバルセロナから、リヨン、トゥールーズ、マルセイユへそれぞれ1往復ずつ乗り入れています。また、フランスのTGV（DuplexのDasye編成）も、パリからバルセロナまで1日2往復乗り入れています。

レンフェ100系は、スペインの高速鉄道の発展に大きく貢献した車両であり、国際的な鉄道ネットワークの拡大にも寄与しています。

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