ロバート・ヘンリー (第2代ノーティントン伯爵)

第2代ノーティントン伯爵ロバート・ヘンリー：激動の時代を生きた政治家

第2代ノーティントン伯爵ロバート・ヘンリー（1747年1月3日 - 1786年7月5日）は、18世紀のグレートブリテン王国において、貴族、政治家として活動しました。彼は庶民院議員、そしてアイルランド総督という要職を歴任し、当時の政治に深く関与しました。

生い立ちと教育

ロバート・ヘンリーは、初代ノーティントン伯爵ロバート・ヘンリーの息子として生まれました。ウェストミンスター・スクールで学び、その後、オックスフォード大学クライスト・チャーチに進学。1763年10月24日に入学し、1766年4月30日にはM.A.（Master of Arts）の学位を取得しています。学問においても優秀な人物であったことが伺えます。

政界での活躍

1763年4月には財務省出納官に任命され、政界でのキャリアをスタートさせます。1768年のイギリス総選挙ではハンプシャー選挙区から出馬し、見事庶民院議員に当選。以降、政治家としての道を歩んでいくことになります。1771年11月28日にはClerk of the Hanaperに任命、1772年1月14日にはケンブリッジ大学から法学博士の学位を授与されました。さらに同年2月17日には貴族院議員に就任、1773年8月18日にはシッスル勲章を授与されています。1777年3月6日にはロンドン考古協会フェローに選出されるなど、多岐にわたる分野で活躍しました。

アイルランド総督として

1783年、フォックス＝ノース連立内閣が成立すると、ロバート・ヘンリーは4月30日にアイルランド総督として入閣します。同日、アイルランドの枢密顧問官にも任命されました。アイルランド総督在任中には、亜麻とたばこ産業の発展に尽力したほか、アイルランド財務大臣にアイルランドに居住する政治家を任命するよう進言するなど、アイルランドの国益を重視した政策を推進しました。また、総督の俸給が増額された際には「完全に満足した」と述べています。

その後

連立内閣の崩壊に伴い、ノーティントン伯爵もアイルランド総督を辞任。後任が到着後の1784年2月26日にダブリンを離れました。1786年7月5日、イタリアからの帰路、パリで死去。ハンプシャーのノーティントン教会に埋葬されました。生涯未婚であったため、ノーティントン伯爵の爵位は廃絶。邸宅であったザ・グランジは売却されました。

人物評と遺産

ナサニエル・ラクソールは、ノーティントン伯爵を「素晴らしい人物ではなかったが、アイルランド人に愛される努力をした」と評しています。ジョシュア・レノルズが1787年に描いた肖像画は、現在南オーストラリア美術館に所蔵されています。彼の功績は、今もなお語り継がれています。

関連情報

ロバート・ヘンリー - ナショナル・ポートレート・ギャラリー
イギリス国立公文書館所蔵のロバート・ヘンリー関連資料一覧

第2代ノーティントン伯爵ロバート・ヘンリーは、激動の時代を生きた政治家として、その名を歴史に刻んでいます。

もう一度検索