ロベルト (競走馬)

ロベルト：ダービー馬にして、伝説の種牡馬

ロベルトは、アイルランドで生まれ、アメリカで種牡馬として活躍したサラブレッドです。父は名種牡馬ヘイルトゥリーズン、母はコーチングクラブアメリカンオークスを制した名牝ブラマリーという、恵まれた血統を受け継いでいました。

1972年のエプソムダービー優勝は彼の最大の功績と言えるでしょう。しかし、ロベルトの名を不滅のものとしたのは、この勝利だけではありません。当時無敵を誇った名馬ブリガディアジェラードを破ったことで、競馬史にその名を刻み込んだのです。この勝利は、イギリス競馬界に衝撃を与え、ロベルトは一躍伝説的な存在となりました。

華々しいデビューからダービー制覇へ

アメリカで生まれ、アイルランドの名伯楽ヴィンセント・オブライエンの調教の下、競走生活をスタートさせました。2歳時は4戦3勝と好成績を収め、アイルランド最優秀2歳馬に選ばれています。3歳シーズンにはイギリスのクラシック路線に挑戦。2000ギニーでは惜しくも2着に終わりますが、ダービーでは1番人気に応え、見事優勝を飾りました。しかし、騎手交代劇や、勝利後も冷ややかな雰囲気だったことなど、彼のダービー制覇はドラマチックなものでした。

ブリガディアジェラードとの死闘とその後

ダービー制覇後、アイリッシュダービーでは不本意な結果に終わりますが、ベンソン＆ヘッジズゴールドカップでは、当時15連勝中のブリガディアジェラードを破り、記録更新を阻止しました。この勝利は、ロベルトを「悪役」として位置付けることになり、以降はダービー優勝時の輝きを取り戻すことはできませんでした。凱旋門賞では7着と大敗し、競走生活に幕を閉じました。

種牡馬としての成功と血統の繁栄

引退後は種牡馬となり、競走馬時代以上に大きな成功を収めました。アメリカとヨーロッパで活躍馬を輩出し、日本ではリアルシャダイ、ブライアンズタイム、クリスエス、シルヴァーホークなど、数々の名馬の父として知られています。彼の血統は「ロベルト系」と呼ばれ、現代競馬においても重要な血統の一つとなっています。リアルシャダイからはライスシャワー、ブライアンズタイムからはナリタブライアンなど、G1競走を制した名馬が数多く輩出されています。ロベルトの血統は、現代競馬に大きな影響を与え続けているのです。

ロベルトの主な産駒

ロベルトは、数多くの名馬を父として輩出しました。その中でも特に有名な産駒をいくつか紹介します。

ブライアンズタイム: フロリダダービー、ペガサスハンデキャップ優勝。産駒にナリタブライアンなどG1馬多数。
リアルシャダイ: ドーヴィル大賞典優勝。産駒にライスシャワーなど。
クリスエス: 5戦3勝。1993年北米リーディングサイアー。産駒にシンボリクリスエスなど。
シルヴァーホーク: クレイヴァンステークス優勝。産駒にグラスワンダーなど。
サンシャインフォーエヴァー: マンノウォーステークス、ターフクラシック優勝。
タッチングウッド: セントレジャーステークス、アイリッシュセントレジャー優勝。

これら以外にも、多くの活躍馬を輩出し、種牡馬としても大きな成功を収めました。ロベルトの血統は、現在でも世界中の競馬界に大きな影響を与え続けています。

ロベルトの生涯と功績

ロベルトの生涯は、競走馬として、そして種牡馬として、数々のドラマと成功に彩られました。ダービー優勝、ブリガディアジェラードとの死闘、そして多くの名馬を輩出した種牡馬としての功績は、競馬史に永遠に刻まれるでしょう。彼の名は、多くの競馬ファンにとって、永遠に語り継がれる伝説として記憶されているのです。1988年8月2日、ロベルトは生涯を閉じましたが、その血統は現在も世界中の競馬界で輝きを放ち続けています。

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