ローマ歴史地区、教皇領とサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂

ローマ歴史地区、教皇領とサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂は、イタリアのローマとバチカン市国にまたがるユネスコの世界遺産です。19[[80年]]にヴェネツィア広場を中心とするエリアが登録され、1990年にはアウグストゥスの霊廟やハドリアヌス帝の霊廟などが追加登録されました。また、同じく世界遺産であるバチカン市国とも隣接し、一体的な保全活動が行われています。

概要

伝説によると、双子の兄弟ロムルスとレムスはテヴェレ川に流され、狼に育てられた後、ロムルスがパラティーノの丘にローマを築いたとされています。実際には、紀元前7世紀頃にサビニ人やラテン人がローマを築き、現在まで都市として機能し続けています。その歴史的な重みから「都市の中の都市」とも呼ばれています。

主な建造物

フォロ・ロマーノ

パラティーノの丘とカンピドリオの丘の間に位置し、古代ローマ帝国の政治、商業、市民生活の中心でした。「フォロ」とは広場の意味です。ユリウス・カエサルの時代に本格的に整備が始まり、アウグストゥスが引き継いでユリウス神殿、元老院、バシリカ・ユリアなどが建設されました。

コロッセオ

80年にティトゥス帝によって建設された楕円形の闘技場です。当時はフラウィウス闘技場と呼ばれていました。長径188m、短径156m、高さ48.5mの4層構造で、5万から6万人以上を収容できたとされています。ローマ帝国時代には、剣闘士同士や剣闘士と猛獣の戦いが繰り広げられ、時には水を張って模擬海戦も行われました。現在では、地上部分が露出した状態で残っています。

コンスタンティヌスの凱旋門

312年のミルヴィオ橋の戦いで、コンスタンティヌス帝がマクセンティウス帝に勝利したことを記念して315年に建てられました。高さ28m、幅25.7mで、見事なレリーフが施されています。

サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラノ大聖堂

コンスタンティヌス帝が312年に建てた、世界初の本格的なキリスト教聖堂です。ラテラノ条約により、バチカン市国の領域外にありながら、バチカン市国から特別な権利を認められています。ローマ教皇のローマ司教としての司教座聖堂です。

サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂

ローマの7つの丘の一つ、エスクィリーノの丘に建つ聖堂です。教皇リベリウスの夢の中で聖母が「夏に雪の降った地に教会を建てよ」と告げ、実際に雪が降った場所に建てられたという伝説から「雪の聖母聖堂」とも呼ばれます。鐘楼は1377年頃に建てられ、ローマで最も高い75mを誇ります。

サン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂

4世紀にコンスタンティヌス帝が、聖パウロの墓の上に建てた聖堂です。奥行き131m、幅65m、高さ30mで、内部には80本の大理石の柱が4列に並んでいます。「フオーリ・レ・ムーラ」とは「城壁の外」という意味で、その名の通り城壁から南へ2km離れた場所に位置します。当初は小さな聖堂でしたが、後に大規模な改修が行われました。1823年の火災で全壊し、1928年に再建されました。

カラカラ浴場

217年にカラカラ帝によって建設された公衆浴場です。1600人を収容できたと推定されており、浴場以外にも図書館などがありました。ローマ市民の娯楽施設として利用されていましたが、度重なる破壊や略奪に遭い、現在はモザイク模様の床などが残るのみとなっています。

登録基準

この世界遺産は、以下の世界遺産登録基準を満たして登録されています。

(1) 人類の創造的才能を表現する傑作であること。
(2) ある期間または文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すものであること。
(3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一または少なくとも稀な証拠であること。
(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例であること。
* (6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するものであること。

アクセス

ローマ・フィウミチーノ空港からローマ市内まで車で約30分です。

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