ヴィーノロッソ

ヴィーノロッソは、アメリカ合衆国で2015年3月29日に生まれたサラブレッド競走馬です。競走馬としてだけでなく、種牡馬としても成功を収めた名馬として知られています。

競走馬としてのキャリアは、2016年9月のキーンランド1歳馬セールで41万ドルという高値で落札されたことから始まりました。その後、東海岸の名門トッド・プレッチャー厩舎に入厩し、2017年11月にデビュー。初戦と2戦目の一般競走を連勝という華々しいスタートを切りました。

3歳シーズン(2018年)には、クラシック前哨戦であるウッドメモリアルステークスで重賞初勝利を飾ります。しかし、続くケンタッキーダービーでは、同年の三冠馬ジャスティファイに大きく差をつけられ9着に終わりました。その後も、プリークネスステークスを回避して挑んだベルモントステークスでは4着、ジムダンディステークスでは3着、トラヴァーズステークスでは5着と、期待されたほどの結果を残すことができませんでした。このため、秋以降は休養に充てられました。

4歳シーズン(2019年)のヴィーノロッソは、3月に復帰。そして、シーズン3戦目となったゴールドカップアットサンタアニタステークスで、1番人気のギフトボックスを破り、念願のG1初制覇を達成しました。続くホイットニーステークスでは3着と健闘しましたが、このレース後、年内での現役引退と翌年からスペンドスリフトファームでの種牡馬入りが発表されました。ジョッキークラブゴールドカップでは1位入選を果たしたものの、ハナ差で2着に降着という結果に終わりました。

そして迎えた引退レース、ブリーダーズカップ・クラシック。混戦が予想される中、マッキンジー、コードオブオナーに次ぐ3番人気で出走しました。しかし、前走からコンビを組んだイラッド・オルティス・ジュニア騎手の好騎乗もあり、2着馬マッキンジーに4馬身1/4差をつける圧勝劇で現役生活に幕を閉じました。この勝利により、父カーリンに続く親子2代でのブリーダーズカップ・クラシック制覇という快挙を達成。オーサムアゲインとゴーストザッパーに続く、父子制覇の2組目となりました。さらに、この年のエクリプス賞最優秀古牡馬にも選出され、その活躍は高く評価されました。

2020年からは、スペンドスリフトファームで種牡馬としてのキャリアをスタートさせました。初年度の種付け料は3万ドルと設定され、オーストラリアでもシャトル供用されるなど、世界中で活躍の場を広げています。

ヴィーノロッソの血統背景も注目に値します。母の半弟には、ベルモントステークスで2着に入ったコミッショナーや、ブリーダーズカップ・スプリントで2着に入ったラフトラックなど、活躍馬が名を連ねています。

ヴィーノロッソは、競走馬としての輝かしい成績と、種牡馬としての将来性から、アメリカ競馬史に名を残す名馬と言えるでしょう。その活躍は、多くの競馬ファンに感動と興奮を与え続けました。今後の種牡馬としての活躍にも期待が高まります。

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