一ツ山康

一ツ山 康（ひとつやま やすし）について

一ツ山康は1951年6月10日生まれ、静岡県富士市で育ったレーシングドライバーです。彼のレーシングキャリアは富士スピードウェイを舞台に始まり、当時の同僚である星野一義とともに競技に参加することが多くありました。しかし、彼は相当な期間、運送や倉庫業といった本業に専念するため、レース界からの離脱を余儀なくされました。

レース界への復帰

1980年代後半から1990年代初頭にかけて、ビジネスに一区切りをつけ、一ツ山は再びレースに挑戦。BMW・M3を駆り、全日本ツーリングカー選手権（JTC）に復帰したのです。この時期、彼は弟の幹雄とともにイベントに出場し、成績を残すことに成功しました。特に、彼らは何度も表彰台に立つなど、その存在感を示しました。

1994年にはJTCがJTCCに変更される中、BMW・318iに乗って戦い、弟と交代でレースに参加しました。特に富士スピードウェイでの大会では兄弟で2台体制で出場する事例もあり、アマチュアとしても高いパフォーマンスを発揮しました。

GT選手権での挑戦

1996年からはJTCCに加え、全日本GT選手権（JGTC）のGT300クラスへの参戦を開始しました。BMW・3シリーズの2ドアクーペを駆使し、このクラスでも安定した成績を収め、特に1998年にはシリーズ4位を獲得しました。

翌1999年、彼は新たに伊藤大輔とコンビを組むこととなりますが、このシーズンはマシンの信頼性が課題となり、低迷した結果となりました。特に富士ル・マン1000kmではマクラーレン・F1 GTRを使用しましたが、トラブルによりマシンがリタイヤするという悔しい結果に終わりました。

継続的な挑戦と新技術の導入

2000年以降は、再びマクラーレン・F1 GTRを引っ提げてJGTCのGT500クラスに参戦。この時、中谷明彦とのコンビで再起を果たします。その後、2002-2003年にかけてはGT500クラスのプロドライバーを起用し、GT300クラスにBMW・M3を再投入しましたが、思わしくない成績が続きました。

2004年から2005年には新たにフェラーリ・550マラネロをチームに加え、監督としても活動を行っています。彼は05年の富士スピードウェイのリニューアルオープンを記念して、マクラーレンを再導入し、スポット参戦も果たしました。こうした彼の姿勢は、単に競技者としてだけではなく、レーシングチームの設立にも寄与したことが伺えます。

レース活動の転機

2006年からは、SUPER GT（旧JGTC）から全日本スポーツカー耐久選手権（JLMC）へと活動の場を移します。ザイテック・05Sやフェラーリ550マラネロを駆使し、森脇基恭と共に監督としても手腕を発揮しました。しかし、JLMCは2007年限りで終了し、一ツ山は一時サーキットから姿を消すことになります。

2009年には再びFIA-GT選手権で使用したアストンマーティン・DBR9を引き取り、新シーズンのSUPER GTに参加することを発表しました。この参加はテスト的な意味合いが強く、ノバエンジニアリングがメンテナンスを担当することになりました。

結論

一ツ山康はそのキャリアを通じて、様々な困難を乗り越え、多様なレーシングカテゴリで戦い続けました。弟と共にさらなる高みを目指す姿勢は、多くのファンや若手ドライバーにとって、模範となる存在です。

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