七戸十和田駅

七戸十和田駅：歴史と自然が織りなす東北新幹線の駅

青森県上北郡七戸町にあるJR東日本東北新幹線七戸十和田駅は、2010年12月4日、東北新幹線の開業と同時に開業しました。十和田湖へのアクセス拠点として、地域住民の生活と観光客の利便性を高める重要な役割を担っています。

開業までの道のり

駅の建設は2005年の路盤工事着工から始まり、駅舎設計、建設と段階的に進められました。駅名については、「七戸駅」案もありましたが、上十三地域全体の協力を踏まえ、「七戸十和田駅」として2009年に正式決定されました。これは、七戸町だけでなく、十和田湖観光地としての側面も考慮した結果と言えるでしょう。開業1年前には駅舎見学会も開催され、地域住民の期待の高さが伺えます。2010年3月には駅舎が完成し、同年12月の開業を迎えました。

開業後は、東北地方太平洋沖地震の影響で一時営業休止を余儀なくされましたが、その後は順調に運行を続けています。2013年には「はやぶさ」の停車開始、2020年には新幹線eチケットサービス開始、2021年にはタッチでGo!新幹線サービス開始など、時代の流れに沿ったサービスの充実も図られています。2024年にはえきねっとQチケサービスも開始予定で、利便性の向上が期待されます。

構想から実現そして現在へ

当初は、かつて営業していた南部縦貫鉄道との接続計画もありましたが、新幹線の開業遅延と南部縦貫鉄道の廃止により実現しませんでした。しかし、駅弁「桜弁当」のパッケージには南部縦貫鉄道で使用されていた車両が描かれ、歴史へのオマージュを感じさせます。

駅舎のデザインと構造

七戸十和田駅は、相対式ホーム2面2線、橋上駅舎を備えた地上駅です。ホームの長さは263メートルで、10両編成に対応しています。安全対策として可動式安全柵も設置されています。直営駅であり、管理駅も兼ねています。みどりの窓口、指定席券売機、自動改札機（新幹線eチケット、タッチでGo!新幹線、えきねっとQチケ対応）といった設備も充実しています。

駅舎のデザインコンセプトは「心安らぐ豊かな自然と歴史の感じられる駅」、デザインイメージは「八甲田を望む大地の息吹と歴史を感じさせる駅」です。3つのボックスで構成された斬新なデザインは、新幹線の駅としては初めての試みです。中央のボックスは八甲田連峰、新青森駅寄りのボックスは「町の未来」、八戸駅寄りのボックスは「奥州街道の松並木」をそれぞれ表現しています。外壁の曲線は八甲田の山並と南部馬の背中をモチーフとしており、特にライトアップされた時の美しさは必見です。

駅の周辺環境とアクセス

駅周辺には十和田観光電鉄の路線バスが多数運行しており、十和田市、新青森駅、まかど温泉、三本木営業所、十和田湖などへのアクセスが容易です。十和田湖へのアクセスを目的としたシャトルバスも運行されています。かつては夜間時間帯の乗合タクシーも運行されていましたが、現在は廃止されています。高速バスも利用でき、東京方面へのアクセスも良好です。七戸町コミュニティバスも運行されており、周辺地域へのアクセスも確保されています。

利用状況と未来

2023年度の1日平均乗車人員は685人です。開業以降、利用客数は着実に推移しており、地域住民の生活と観光の両面で重要な役割を果たしています。

七戸十和田駅は、歴史と自然、そして未来を見据えた、魅力的な駅と言えるでしょう。今後ますます発展し、地域活性化の中心的な存在となることが期待されます。

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