七曜海山列

七曜海山列について

七曜海山列（しちようかいざんれつ）は、伊豆諸島から小笠原、さらにはマリアナ列の海域に広がる独特の地形を持つ7つの海山の集まりです。これらの海山は、孀婦岩と西之島の間に位置し、特に七島海嶺と硫黄島海嶺の尾根部分に相当します。この海山列は、南北方向に平行して伸びており、各海山の間には明瞭な地溝が形成されています。

各海山の特徴

日曜海山

日曜海山は孀婦岩の南約30 km、北緯29度28分、東経140度21分に位置しています。最浅部は水深827 mで、全体が南北に長い台地状を成しています。地塁や断層崖が発達しており、頂部には幅2 kmにわたる地溝が形成され、元の火山地形が失われたと考えられています。この海山では、両輝石安山岩が採取されています。

月曜海山

月曜海山は日曜海山の南約20 km、北緯29度18分、東経140度28分に存在し、独特の円錐形をしています。最浅部の水深は530 mで、地溝内に山体があり、比高が3100 mを超える大きな火山です。火口らしき地形は見当たらず、開析が開発した水深900 m以深の状況が特に顕著です。この海山からも両輝石安山岩が見つかっています。

火曜海山

この海山は月曜海山の南30 km、北緯29度03分、東経140度33分の位置にあり、2つの主火山体といくつかの小型火山から構成されています。比高は約2700 mで、最も大きな北東峰は水深600 mの尖った山頂を持ち、南西峰も同様の形状をしています。また、南側には馬蹄形の谷が認められ、火口や崩壊の形跡が確認されています。火曜海山でも含橄欖石安山岩が採取されています。

水曜海山

水曜海山は北緯28度36分、東経140度38分の約50 km南に位置し、比高は西峰で約1900 mとなっています。小笠原トラフからの約1500 mの古い火山体上に位置し、特に西峰には深さ500 mのカルデラが存在している点が特筆されます。カルデラには活発な熱水活動があり、温度は約300℃に達しています。

木曜海山

この海山は水曜海山から南南西約30 km、北緯28度19分、東経140度34分の位置にあり、七曜海山列の中で最も大きな山体を持ちます。水深819 mの浅い部分にはカルデラが広がり、熱水活動が見られます。

金曜海山

金曜海山は北緯28度03分、東経140度46分にあり、2つの頂部を持つ複雑な海山です。ここでも、水深644 mの南西峰や多様な火口形成が見られ、各種の玄武岩質安山岩が発見されています。

土曜海山

土曜海山は西之島の北約50 kmに位置し、水深371 mと最も浅く、3,700 mの比高を持つ円錐形火山です。馬蹄形のカルデラも見られ、周辺には新鮮な玄武岩質溶岩が確認されています。

生物多様性

七曜海山列は、特に熱水噴出孔の周辺で生物が豊富であり、シチヨウシンカイヒバリガイやトゲオオハラエビなどの生物が確認されています。これは「相模トラフ・南部海山」の一部として生物多様性が高く評価されていることを示しています。各海山は火山フロントに位置するため、活発な火山活動が地域の生態系に影響を与えていると考えられています。海底熱水鉱床の形成や、熱水系生物群集が育まれるなど、七曜海山列の生物多様性は、今後の研究が期待される分野です。

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