万里小路時房

万里小路時房の生涯と業績

万里小路時房（までのこうじ ときふさ）は、室町時代の初期から中期にかけて活動した著名な公卿であり、万里小路家の7代目当主です。父は内大臣の万里小路嗣房で、時房はその晩年に授かった子供として誕生しました。彼は従一位と内大臣の官職を持ち、法号は建聖院として知られています。また、万里小路時房は自らの日記『建内記』の著者でもあり、この作品は彼の政治生活や日常を伝えています。

家族と経歴の始まり

時房は、父である万里小路嗣房が54歳の時に生まれた子供であり、家族の中で特別な存在でした。既に養子を迎えていたこともあった中、彼は5歳の時に父の意向で家督を継ぐことが求められるようになりました。嗣房は出家していたため、家を支える家督の譲渡が重要視されたのです。

時房が生まれた後、父の万里小路嗣房は応永8年（1401年）に病死します。その後、時房は同年に叙爵され、官職の階梯を順調に上っていきます。応永18年（1411年）には後小松天皇の蔵人となり、さらに3年後には頭弁となります。若干23歳の時に参議に就任し、その後も権中納言、権大納言などを歴任し、政治的な基盤を整えます。

政治的活動と立場

特に顕著なのは、彼が後小松天皇の側近として仕えたことでしょう。時房は天皇の信任を得て、密接に政権に関与し、天皇と忠実な関係を築きました。そのため、彼は武家伝奏や南都伝奏を務めるようになり、室町幕府の4代将軍足利義持や義教の側でも重用されました。時房の政治的意見は常に求められ、多くの重要な決定に影響を与えました。

彼はまた、後花園天皇の尊号を巡る政治的な案件において、故後小松天皇の遺志を推し進める立場を貫き、最期までその意見を変えませんでした。このように、時房は室町政権の中で自らの立場を強固にし、他者との連携や意見交換を通じて影響力を持った人物です。

晩年と足跡

文安2年（1445年）には内大臣に任じられましたが、思わぬ圧迫によりその地位は短命に終わります。大臣職を熱望していた洞院実熙の圧力により、わずか1年で辞任を余儀なくされたのです。多くの政治的な活躍があった後、彼は64歳で亡くなり、最初は浄蓮華院に葬られますが、後に息子の玄周によって清浄華院に改葬されました。

彼の家系は、万里小路冬房、玄周（清浄華院住持）、中権、慈俊、慈照など多くの子孫を残し、その影響力は後世にまで続いていくこととなります。

参考文献

• - 益田宗「万里小路時房」『国史大辞典 13』（吉川弘文館 1992年）
• - 新田英治「万里小路時房」『日本歴史大事典 3』（小学館 2001年）
• - 福嶋紀子「万里小路時房」『日本中世史事典』（朝倉書店 2008年）

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