万里小路冬房

万里小路冬房の生涯

万里小路冬房（までのこうじ ふゆふさ）は、室町時代中期の公卿であり、内大臣・万里小路時房の子として誕生しました。幼少期から仏教に強い興味を抱き、その後の人生にも大きな影響を与えました。彼は従一位・准大臣の地位に昇進し、万里小路家の8代目当主として重要な役割を果たしました。

経歴

冬房は初めは成房という名で呼ばれていました。彼は永享年間に叙爵された後、右兵衛佐、弁官、五位蔵人などの役職を経て、文安6年（1449年）には蔵人頭を兼任しました。さらに、宝徳2年（1450年）には参議に任じられ、公卿の仲間入りを果たします。彼のキャリアは順調に進み、従三位、権中納言を経て、享徳元年（1452年）には正三位に昇進しました。康正元年（1455年）には従二位に進み、重要な役職を次々と務めてきました。

長禄2年（1458年）には大宰権帥を兼任し、権大納言となりましたが、寛正5年（1464年）にその地位を辞退しました。翌年、正二位に叙任され、その年の12月には後土御門天皇の即位礼の伝奏を務めるなど、公的な活動に従事しました。

しかし、応仁元年（1467年）に准大臣に宣下され従一位にまで昇進したものの、同年10月に後花園上皇が出家した際には、彼もまたそれに殉じて出家しました。彼は浄土宗の法名「弘房」または真言宗の「弘円」と名乗りました。出家後は比叡山北谷にひっそりと隠棲することになり、その足取りは長きにわたって不明となります。

万里小路家は冬房の出家の前に甘露寺家から春房を迎えましたが、春房が突然出奔してしまったため、再び勧修寺家から賢房を養子として迎えることになりました。冬房は文明7年（1475年）11月22日に、紀伊国熊野浦から補陀落渡海に出航し、53年の生涯を閉じました。

家族構成

冬房の父は万里小路時房（1394-1457）であり、母については詳細が不明です。彼には兄弟姉妹として玄周、慈俊、算子（慈照）、中権がいます。妻は広橋宣光の娘で、彼の子供に万里小路命子（瑞林院、1453-1488）がいます。命子は足利義尚の妾として知られています。

彼の養子には万里小路春房（江南院龍霄、1449-1509）と万里小路賢房（1466-1507）がいます。春房は甘露寺親長の子であり、賢房は勧修寺教秀の三男として従三位・参議、右大弁の地位に就いています。その後、賢房は吉徳門院の父となります。

参考文献

• - 『萬里小路家譜』（東京大学史料編纂所蔵）
• - 『大日本史料』8編1冊、応仁元年9月20日条
• - 宮崎康充「万里小路冬房」（安田元久編『鎌倉・室町人名事典』新人物往来社、1990年）
• - 根井浄『補陀落渡海史』（法蔵館、2001年）

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