三俣宿

三俣宿（みつまたしゅく）

三俣宿は、かつて三国街道に存在した宿場町です。現在の新潟県南魚沼郡湯沢町大字三俣に位置し、近隣の二居宿、浅貝宿と合わせて三国三宿と呼ばれ、旅人にとって重要な休憩地点でした。

概要

三国街道は、越後と江戸を結ぶ最短ルートとして整備され、三俣宿はその宿駅として機能しました。上越国境の三国山脈を源流とする清津川の畔に位置し、前後の道は険しい山道が連続していました。そのため、越後側から見ると三国峠手前の最後の平坦な場所であり、関東側から見ると難所を越えた後の休息地として、多くの旅人に利用されました。

戦国時代には、三復庵が上杉氏などの旅所として使われました。上杉景勝の時代には、芝原峠に荒戸城が築かれ、関所が設けられました。江戸時代には、八木沢口留番所が置かれ、本陣と二つの脇本陣が設けられ、大名や新潟奉行などの定宿となりました。脇本陣の一つである池田家は旅館として存続し、その建物は新潟県指定文化財となっています。

歴史

戦国時代： 三復庵が上杉氏の旅所として利用される。
江戸時代： 三国街道の宿駅として整備され、八木沢口留番所が設置される。本陣、脇本陣が設けられ、大名や奉行が利用。
1811年（文化8年）： 鈴木牧之が苗場山に登頂し、『北越雪譜』にその様子を記述。
1848年（嘉永元年）： 三俣の大火が発生。
1868年（慶応4年）： 三国峠の戦いの後、会津藩兵に焼かれそうになるが、新政府軍に救われる。
明治時代： 宿駅制度が廃止され、三国街道の往来が減少。村人は木工や炭焼きで生計を立てる。
1889年（明治22年）： 三俣村が成立。
1918年（大正7年）： 三俣の大雪崩が発生し、集落に大きな被害。
1955年（昭和30年）： 湯沢町の一部となる。
1970年（昭和45年）： かぐら・みつまたスキー場が開業し、観光地として再び賑わいを取り戻す。
1996年（平成8年）： 日帰り温泉施設「街道の湯」がオープン。
2013年（平成25年）： 道の駅みつまたがオープン。

史跡

三俣宿には、歴史を物語る多くの史跡が残っています。

八木沢観音堂
八木沢口留番所跡
八木沢十二神社
馬頭観音
大島十二神社
雪災碑：三俣の大雪崩の慰霊碑
本陣跡：関新右衛門宅の遺構
旧脇本陣越後屋
三国街道脇本陣跡 池田屋（池田家旅館）：新潟県指定史跡
荒戸城跡
伊米神社
三復庵跡
鶴女碑
三俣観音堂
百庚申

現在

現在、三俣宿は、かぐらスキー場の拠点の一つとして、また、道の駅みつまたや温泉施設などを有する観光地として賑わっています。歴史的な史跡を巡りながら、自然豊かな景色を楽しめる場所として、多くの観光客が訪れています。

アクセス

路線バス: 越後湯沢駅から南越後観光バスで「八木沢口」「道の駅みつまた前」「三俣中央」「かぐら三俣スキー場」バス停下車
自家用車: 関越自動車道湯沢インターチェンジから国道17号を高崎方面へ約8km
徒歩: 越後湯沢駅周辺から湯沢高原ロープウェイを経由する登山道

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