三国山 (岐阜県)

岐阜県の三国山：3つの異なる山容

岐阜県には「三国山」という名前の山が3つ存在します。それぞれが異なる場所に位置し、標高や特徴も大きく異なります。本稿では、これら3つの三国山について個別に解説します。

1. 岐阜県・愛知県境の三国山

標高701mのこの三国山は、岐阜県土岐市と愛知県豊田市の境界に位置し、4階建ての展望台やキャンプ場を備えた県立自然公園となっています。周辺に高い山がないため、眺望が非常に優れており、夜間には濃尾平野の美しい夜景を楽しむことができます。

その名の通り、かつては美濃国、尾張国、三河国の3つの国にまたがっていたことから「三国山」と名付けられました。山頂には三国山大権現社殿や多くの石仏があり、歴史を感じさせる場所でもあります。

周辺の山: 猿投山、笠原富士、弥勒山

源流の河川: 笠原川、蛇ヶ洞川、品野川（庄内川の支流）、木瀬川（矢作川の支流）

放送設備: この山には、過去に地上デジタル放送の実験局やFMラジオ局（RADIO-i、FM LOVEARTH）の送信所が設置されていましたが、現在はCBCラジオ・東海ラジオ放送のFM補完中継局が設置されています。地上デジタル放送については、スピルオーバーの問題から瀬戸市中心部に瀬戸デジタルテレビ放送所が設置され、中京圏への電波を送信しています。

アクセス: 山頂へは自家用車でアクセス可能です。東海環状道せと品野ICから約20分です。

2. 岐阜県・長野県境の三国山

標高1,611mのこの三国山は、岐阜県下呂市、中津川市と長野県木曽郡王滝村の境界に位置し、阿寺山地に属します。「さんごくさん」とも呼ばれ、ぎふ百山の一つにも選定されています。かつての飛騨国、美濃国、信濃国の3国にまたがっていたことに由来する名前です。

山頂の北西約0.8kmには鞍掛峠があり、美濃と信濃を結ぶ林道が通っています。

周辺の山: 御嶽山、小秀山、白草山、唐塩山、拝殿山、寺田小屋山、奥三界岳

源流の河川: 竹原川、白川（加子母川）、水無沢（いずれも木曽川水系）

3. 岐阜県・長野県・愛知県境の三国山

標高1,162mのこの三国山は、岐阜県恵那市、長野県下伊那郡根羽村、愛知県豊田市の境に位置し、美濃三河高原に属します。美濃国、信濃国、三河国の3国にまたがっていることからこの名前が付けられました。

山頂付近の愛知県側には池ヶ平牧場があり、名古屋コーチンの生産地として知られています。牧場内にはダートトライアルコース「池の平ワンダーランド」が整備されています。また、山頂周辺には中新世の火山噴出物である「亀甲岩」と呼ばれる柱状節理が発達した玄武岩が点在しており、愛知県と根羽村の天然記念物に指定されています。

周辺の山: 茶臼山、大川入山、恵那山

このように、岐阜県にはそれぞれ異なる特徴を持つ3つの「三国山」が存在します。それぞれの山は、歴史、自然、そして眺望など、多様な魅力を備えています。それぞれの三国山の位置や特徴を理解することで、より深い山岳体験が得られるでしょう。

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