三国時代 (朝鮮半島)

三国時代の概観

朝鮮の歴史における三国時代は、朝鮮半島及び満洲において高句麗、百済、新羅の三国が栄えた期間を指します。日本の歴史学界ではこの時代をおおよそ4世紀から7世紀にかけてと位置付けていますが、韓国では紀元前1世紀から紀元後7世紀までの長い期間をこの時代に含めています。この時代区分は高麗時代の資料に基づいています。

三国以前の状態

三国時代以前、朝鮮半島には扶余、沃沮、伽耶、于山国、耽羅国といった小国や部族国家が存在していました。これらの国々はそれぞれ異なる建国神話を持ちながら独自の発展を遂げ、後の三国の形成に影響を与えたと考えられています。

三国の成立

この時代は紀元前57年に新羅が前漢から自治権を認められたことから始まったともされています。高句麗は紀元前37年に漢から独立し、紀元前18年には二王子の王位継承争いを経て、南西部に百済が成立しました。伽耶は42年に首露王によって建国されましたが、6世紀には新羅に滅ぼされる運命を辿ります。

ただし、これらの時代区分や建国の年代は中国の記録と異なっており、日本の歴史学界ではしばしば高句麗を除く二国の建国年代を4世紀としています。百済の初期の都は熊津（現在の公州或いは清州）で、後に泗沘（現・扶余）に遷都します。

三国の発展と文化

220年に後漢が滅亡したことで、三国は発展の機会を迎えました。1世紀から朝鮮半島の上流階級の間で広がった儒教は、しだいに仏教に取って代わられます。三国の中で最大の勢力を誇っていた高句麗は、鴨緑江沿岸とその内陸に城を築き、漢との国境を接して徐々に満洲の広大な土地を征服しました。313年には楽浪郡と玄菟郡を滅ぼし、その影響力を拡大しました。

372年に仏教が国教に定められ、文化が重要な役割を果たしました。百済が栄え、特に南半分を支配したのは4世紀のことで、新羅も同時期に国境を接する伽耶を吸収しました。新羅の都は徐羅伐（現在の慶州）とされ、彼らの政治、経済、文化が活発に展開されました。

三国の衰退と新羅の統一

新羅は528年に仏教を国教として定め、唐と同盟を結びます。この同盟の効力を背景に、660年には百済を滅ぼし、668年には高句麗も滅ぼします。これにより、三国時代は終焉を迎え、新羅による統一が実現しました。

滅ぼされた百済の王族は日本へ逃れ、そこで「百済王」という姓を与えられました。歴史上、百済王氏からは陸奥国で金を発見した金作品（百済王敬福）など、著名な人物が誕生しています。

結論

三国時代は、朝鮮半島の歴史において重要な変革の時期であり、後の新羅時代へと繋がる文化と政治の基盤を築きました。この時代の理解は、朝鮮半島のみならず東アジア全体の歴史を考えるうえでも欠かせないものです。

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