三坂峠

三坂峠について

三坂峠（みさかとうげ）は、愛媛県松山市と上浮穴郡久万高原町の境界に位置する峠で、その標高は720メートルです。この峠は水源地としても知られ、北側を流れる御坂川（重信川水系）は瀬戸内海に、南側を流れる久万川（仁淀川水系）は太平洋に注ぎます。

歴史と文化

三坂峠は、松山と高知を結ぶ重要な陸路として「土佐街道」と呼ばれる歴史ある道の一部です。明治14年（1881年）には、有名な詩人の正岡子規がこの地で詩を詠み、峠は文化的にも意義深い場所です。また、1966年（昭和41年）には昭和天皇が参加した植樹祭の足跡が残っており、彼が詠んだ詩が峠の頂上に記念碑として建立されています。この植樹祭は「久谷ふれあい林」として整備されており、当時の皇太子も後に訪れるなど、続いてきた歴史があります。この地区の道路やガードレールも改修されましたが、現在は立ち入り禁止の区域が多く残っています。

道路の整備と交通事情

歴史的に見ても交通の難所とされてきた三坂峠ですが、明治時代に大久保諶之丞の手によって四国新道が改修され、この道は後に国道33号に指定されました。第二次世界大戦後は建設省（現・国土交通省）が主導で一次改築事業を進め、1966年には自動車が通行できるように整備されましたが、この地域は急勾配と難所が多いため、ヘアピンカーブが続く道路があります。そのため、いわゆる「ローリング族」と呼ばれる若者たちが集まる場所にもなっています。冬季には積雪や凍結もあり、運転には注意が必要です。また、交通の円滑化を図るために三坂道路事業として新たに三坂第一トンネル（2006年貫通）と三坂第二トンネル（2007年貫通）が開通し、高知松山自動車道に繋がりつつあります。なお、2015年4月1日には、国道440号との重複部分が国道33号の指定を解除され、国道440号の単独区間となったことにも言及しておきます。

道路情報

• - 路線名：国道440号
• - 最急勾配：8%
• - 最急曲線：35m（180°ターンあり）
• - 車線数：片側1車線対面通行（登坂車線有）

観光の魅力

松山市側から見上げると、急峻な坂を一気に登る形になり、峠からは松山平野（道後平野）の美しい眺望が楽しめます。峠を南に下ると、久万高原の自然が広がります。かつては伊予鉄道が運営していた三坂峠ドライブインがありましたが、高知自動車道の開通に伴い利用者が減少し、最終的には2008年に取り壊されてしまいました。現在、その場所には商業施設は存在せず、周囲には土産物屋やホテルの廃墟が点在しています。しかし、営業しているお店は無いため、訪れる際には事前の情報収集が望ましいです。三坂峠は、歴史の息吹と自然の美が共鳴する場所として、訪れる人々に印象深い体験を提供しています。

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