三室戸敬光

三室戸敬光（みむろど ゆきみつ）

三室戸敬光は、1873年（明治6年）に生まれ、1956年（昭和31年）に没した、日本の華族、宮内官、そして政治家です。明治法律学校（現在の明治大学）を卒業後、宮内省に奉職し、帝室会計審査官、内匠寮主事、内匠寮工務課長、皇后宮主事・会計課長、主猟頭などを歴任しました。1921年（大正10年）には宮中顧問官に就任し、その職責を果たしました。

華族としての活動

1922年（大正11年）には、子爵を襲爵し、華族としての地位を確立しました。1925年（大正14年）には貴族院議員に互選され、研究会に所属して政治活動にも携わりました。三室戸家9代当主としての責務も果たしています。

教育への貢献

1930年（昭和5年）には、東京高等音楽学院（現在の国立音楽大学）の学院長に就任し、1946年（昭和21年）までその任を務めました。また、1934年（昭和9年）には東京高等音楽学院大塚分教場（現在の東邦音楽大学）を開設するなど、音楽教育の発展にも貢献しました。

政治的な活動

1934年（昭和9年）の貴族院本会議では、商工大臣であった中島久万吉の「足利尊氏論」を逆賊賛美と攻撃し、斎藤実内閣総理大臣に「しかるべき措置」を取るよう求めました。この一件は、軍部の政治介入と右翼の台頭を招く一因となりました。

1935年（昭和10年）の天皇機関説問題では、美濃部達吉を貴族院議員の辞職に追い込み、岡田内閣に国体明徴声明を出させるなど、右派的な政治活動も積極的に行いました。これらの行動は、当時の政治情勢に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

戦後

戦後、三室戸敬光は公職追放となりました。その後の詳しい動向は明らかになっていません。

栄典

1916年（大正5年）1月19日 - 勲五等双光旭日章
1921年（大正10年）7月1日 - 第一回国勢調査記念章
1940年（昭和15年）8月15日 - 紀元二千六百年祝典記念章

参考文献

『貴族院要覧（丙）』昭和21年12月増訂、貴族院事務局、1947年。
衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
秦郁彦編『日本近現代人物履歴事典』東京大学出版会、2002年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典1868-2000』第2版、東京大学出版会、2007年。

関連項目

天皇機関説事件
* 三室戸家

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