三崎公園 (秋田県・山形県)

三崎公園

三崎公園は、秋田県にかほ市と山形県遊佐町にまたがる三崎に位置する海浜公園です。鳥海国定公園の一部を構成し、美しい自然景観と歴史的な背景を持つ場所として知られています。

概要

公園は国道7号の秋田・山形県境に位置し、鳥海山の溶岩流が日本海に流れ込み、長い年月をかけて波に浸食された断崖絶壁が特徴的です。観音崎・大師崎・不動崎という3つの岬が日本海に突き出ており、この地形が「三崎」という名前の由来となっています。

断崖絶壁に沿った海岸線は開けており、貴重な植物群落が自生しています。石畳の遊歩道が整備されており、自然を間近に感じながら散策を楽しめます。公園内には白亜の羽後三埼灯台がそびえ立ち、付近の海上交通の安全を見守っています。

国道7号沿いには約700株のソメイヨシノが植えられており、秋田県内でも特に早く桜が開花する場所として知られています。勢至公園と並び、春には美しい桜並木が訪れる人々を魅了します。

三崎の山形県側には女鹿という集落があります。この地域には、男鹿のナマハゲに似た「アマハゲ」という独特の風習が伝わっています。また、飛島との間には古くから交流があり、鳥海山大物忌神社の例大祭の日には、お互いの対岸に向けて御祭灯を上げる風習が現在も残っています。

三崎峠

三崎は、かつて羽州浜街道の難所として知られていました。手長足長という妖怪の伝説に準えた有耶無耶の関という関所が設けられていたと伝えられています。松尾芭蕉も象潟へ向かう際に三崎峠を通り、「奥の細道」でその難渋ぶりを記しています。河合曾良の随行記には、「是より先は馬も通れぬ難所」と記されています。現在、旧道は「三崎山旧街道」として保存整備されており、歴史を感じながらハイキングを楽しむことができます。

明治時代には、初代山形県令の三島通庸が、萬世大路・関山峠・雄勝峠とともに山形県発展の礎とすべく、新道を内陸寄りに開削しました。1877年（明治10年）に開通し、秋田県と山形県の交通が大きく改善されました。
現在の国道7号は、1952年（昭和27年）に旧街道に近い経路で開通しています。

羽後三埼灯台

航路標識番号：1383
位置：北緯39度07分04秒、東経139度52分15秒
塗色・構造：白色・塔形コンクリート造
実効光度：5,600カンデラ
光達距離：12.5海里（約23km）
高さ（地上 - 灯火）：10.5m
標高（海面 - 灯火）：68m
初点灯：1960年（昭和35年）2月1日
所在地：山形県遊佐町
管轄：海上保安庁第二管区海上保安本部

アクセス

鉄道：JR東日本小砂川駅（秋田県側）、女鹿駅（山形県側）
バス：羽後交通バス小砂川線で象潟駅から約20分、三崎公園前下車

関連項目

三崎峠の戦い
日本国指定名勝の一覧
* 東北地方の峠一覧

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