三明経
三明経（Tevijja-sutta）
概要
三明経とは、パーリ仏典の中で特に重要な位置を占める経典であり、長部経典の第13経です。この経は、創始者である釈迦が「梵天界へ至る道」について教えを講じた内容を含んでいます。また、この経典は、伝統的にバラモンが大切にしている聖典「三ヴェーダ」との関連が深く、そこから「三明」の名が付けられています。
異なる伝承
三明経は、漢訳の経典とも類似点があり、特に『長阿含経』の第26経にも同様の教えが含まれています。このような背景からも、三明経が持つ意義は広範囲にわたります。
登場人物
ストーリー展開
物語は、コーサラ国のマナサーカタに釈迦が500人の比丘とともに着くところから始まります。そこで釈迦は、バラモンの弟子であるヴァーセッタとバーラドヴァージャの二人が、自分たちの師の行じる梵行の優劣について議論する姿に出会います。その激しい議論は決着を見ないまま進行し、最終的に二人が釈迦にその判断を求めることになります。
釈迦の教え
釈迦は、二人の師がいかに優れた教えを持つかについて伝える前に、過去のバラモンたち、特に「三明」に関連する歴代のバラモンの中で、生前に梵天に至った者がいるかを問います。しかし二人は、そのような者はいないと答えます。これに対し、釈迦は「生きている間に梵天に至ることができない者は、死後に至ることもない」と教えます。
その後、釈迦は実際に梵天へと至るための方法について説明します。具体的には、十善戒や六根清浊の大切さ、正念正智の実践、満足した生活を送るための三衣一鉢、そして五蓋を取り除くこと（これは五禅支を生じることでもあります）などが含まれます。また、四無量心（四梵住）についても言及し、これを実践する者が真に梵天とともに住み、死後の世界へと移行することができると説きます。この教えに感銘を受けた二人は、釈迦の教えを信じ、三宝への帰依を誓うのです。
結論
三明経は、釈迦が教える「梵天と梵天界への道」を明らかにし、同時にバラモンたちとの対話を通じて真の教えの価値を示す重要な経典です。教えの根底には、現世での行いがその後の運命にどのように影響を及ぼすのかを深く掘り下げる重要性があり、信者にとって目指すべき理想が描かれています。
日本語訳・参考文献
関連項目
外部リンク
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