三笠駅 (北海道)

三笠駅：北海道の鉄道黎明期を支えた駅の記憶

三笠駅は、かつて北海道三笠市本町に位置し、JR北海道幌内線に属していました。この駅は、北海道の鉄道史において重要な役割を果たした駅の一つです。

歴史

1878年、北海道における炭田開発の一環として、幌内炭鉱からの石炭輸送を目的に、幌内鉄道の主要駅として「幌内太駅」が開業しました。手宮駅、住吉駅、銭函駅、札幌駅、江別駅、幌内駅と共に、北海道で最も古い駅の一つとして数えられています。

年表

1882年：幌内太機関室（後の幌内太機関庫）が設置。
1882年11月13日：官営幌内鉄道の札幌 - 幌内間開業に伴い、幌内太駅として新設。
1888年12月10日：当駅 - 郁春別間の支線が開業。
1889年12月11日：北海道炭礦鉄道に譲渡。
1901年5月：跨線橋設置。
1906年10月1日：北海道炭礦鉄道の鉄道路線国有化により、官設鉄道に移管。
1910年5月：幌内太機関庫が岩見沢機関庫幌内太分庫となる。
1914年10月：三笠炭砿から当駅積込場へ馬車軌道敷設。
1929年12月25日：唐松駅開設により、唐松炭砿からの馬車軌道廃止。
1940年9月：跨線橋改築。
1944年4月1日：駅名を三笠駅に改称。
1958年3月：駅舎および跨線橋を改築。
1972年11月1日：当駅 - 幌内駅間旅客営業廃止に伴い、岩見沢駅 - 幾春別駅間が本線、三笠駅 - 幌内駅間は貨物支線となる。
1981年5月25日：貨物の取り扱いを廃止。
1984年2月1日：荷物の取り扱いを廃止。
1987年4月1日：国鉄分割民営化により、JR北海道へ承継。
1987年7月13日：幌内線の全線廃止に伴い、廃駅となる。

駅名の由来

「幌内太」という駅名は、幌内川と幾春別川の合流地点を示すアイヌ語「ポロナイプトゥ（poronay-putu）」に由来します。その後、周辺地域の合併や町制施行を経て、1944年に駅名が「三笠駅」へと改称されました。

駅構造

三笠駅は、2面3線のホームを持つ有人駅でした。単式ホームと島式ホームが組み合わさり、列車交換が可能でした。ホーム間は跨線橋で連絡していました。また、機関庫開設当初はデルタ線、後に転車台が設けられていました。

駅周辺

幌内太駅（当時の雰囲気を復元）
多賀町商店街
平和通り
三笠市役所
空知商工信用組合三笠支店
三笠山橋
セイコーマート三笠
* 北海道中央バス・三笠市営バス「三笠市民会館」停留所

現在の駅跡

現在、三笠駅跡地は三笠鉄道村三笠ゾーンとして活用されており、跨線橋とホームが現存しています。駅舎は初代駅舎を再現した上で再整備されています。

隣の駅

幌内線

萱野駅 - 三笠駅 - 唐松駅

幌内線（貨物支線）

三笠駅 - （幌内住吉駅） - 幌内駅

※1972年までは幌内駅方面が本線でしたが、同年の旅客営業廃止に伴い、幾春別駅方面を本線、幌内駅方面を貨物支線としました。幌内住吉駅はこの時廃駅となっています。

三笠駅は、その歴史的背景と鉄道遺産としての価値から、今もなお多くの人々に記憶されています。

もう一度検索